サテライン

サテライン（SATELINE）とは

サテラインは、代々木ゼミナール（代ゼミ）が提供する衛星通信方式の講義システムです。運営は、建前上、子会社の株式会社日本入試センターが行っています。

概要

「サテライン」は、Satellite（衛星）とLine（回線）を組み合わせた造語で、学校法人高宮学園によって商標登録されています。このシステムは、日本における衛星通信授業の先駆けとも言える存在です。

代ゼミ本部校で行われる講義の映像と音声は、「サテライン地球局」から通信衛星を経由して、全国のサテライン設置校舎へ生中継されます。Digital 8ch方式を採用しており、同時に8つの講義を配信することが可能です。また、「代ゼミサテライン予備校」としてフランチャイズ展開も行っています。

システムの詳細

本部校のサテライン教室には、複数のロボットカメラが設置されており、これらのカメラは代ゼミタワー内のサブ室から遠隔操作されます。カメラが捉えた映像は、赤道上空の静止衛星JCSAT-2を経由して各校舎へ配信されます。本部校とのタイムラグは約2.5秒です。

受信には、一般家庭でも利用されているスカパー！のチューナーが用いられ、各校舎のスクリーンや個別ブースで放映されます。代ゼミ直営校舎とサテライン予備校・ライセンススクールでは、受信に使用するICカードが異なるため、試写会などは直営校舎のみで受信可能となっています。

授業で使用されているカメラは、テレビ局と同様に、作動中のカメラを示す赤いランプが点灯し、講師はどのカメラが使用されているかを容易に把握できます。数学や英語などの授業では、板書のしやすさを考慮して、2台のカメラを用いた分割画面表示も可能です。

単科ゼミとして提供される講座は、本部校で録画された後、IP回線を通じて各校舎のサーバーに送信されます。受講生は、授業日から一週間以降に個別ブースで受講できます（フレックス・サテライン）。個別ブースの使用時間内であれば、巻き戻し、一時停止、早送りなどの操作が可能で、再受講や欠席時の振替もできます（振替には手数料が必要ですが、事前に手続きを行うことで無料になる場合があります）。

一部の代ゼミサテライン予備校では、フレックス・サテラインシステムを応用したVODシステムも導入されており、最短で授業日から2日後に視聴できる講座もあります。

配信内容

サテラインでは、代ゼミの通常授業が生中継で配信されるほか、過去の授業の再放送や、高校向けのスタジオ収録番組も配信されます。また、年に数回、試写会も開催されます。

通常、日曜日は講義の配信は行われず、この時間は代ゼミライセンススクールの映像配信に利用されます。

授業開始前には、代ゼミのインフォメーションCMが放映されます。過去には、製菓メーカーが代ゼミとタイアップして、チョコレートやガムのCMを放映していた時期もありました。

他の予備校との違い

衛星通信による講義配信は、他の予備校でも行われています。河合塾では河合サテライト講座、駿台予備学校では駿台サテネット21、東進ハイスクールではサテライブといった名称で提供されています。しかし、河合塾や駿台予備学校では、生の授業ではなくスタジオ収録映像を用いることが多く、3Dグラフィックなどを併用する場合もあります。

サテラインと他の予備校の衛星配信システムとの大きな違いは、その運営形態にあります。他の予備校のシステムが「時間貸し」であるのに対し、サテラインは回線ごと株式会社日本入試センターが買い取っているため、事実上24時間放送が可能な「テレビ局」のような存在です。近年では、この特徴を活かし、「代ゼミライセンススクール」として、伊藤塾などと提携し、司法試験、公務員試験、教員採用試験などの対策講座も配信しています。

その他

かつて代ゼミで人気を博した講師の中には、講義中に不適切な発言を連発するため、サテラインには出演できなかった者もいました。

授業前には、教室にBGMが流れます。2013年度には、SOUND BANKで販売されているCROSSOVERシリーズの楽曲が使用されていました。

HD画質・アスペクト比16:9での配信は、2013年度になってから開始されました。

もう一度検索