サトル・サトウ・アート・ミュージアム

サトル・サトウ・アート・ミュージアム：幾何学の美と創造の空間

宮城県登米市に位置するサトル・サトウ・アート・ミュージアムは、独特の雰囲気を持つ美術館です。同市出身の造形作家、サトル・サトウ氏がパリで出会った仲間たちから寄贈されたコレクションを中心に、幾何学構成主義の絵画を展示しています。

元は中田町立桜場小学校の校舎だった建物を改修し、登米市中田生涯学習センターの3階に2007年7月28日に開館しました。2008年には収蔵作品図録の完成を記念した盛大なグランドオープニングパーティーを開催し、本格的な活動をスタートさせました。

貴重なコレクション：世界的な巨匠たちの作品

美術館のコレクションは、サトル・サトウ氏の作品350点と、海外の作家仲間やコレクターから寄贈された272点の作品からなり、合計622点にのぼります。絵画、レリーフ、オブジェ、インスタレーション、デッサン、版画など、多様な表現方法の作品が所蔵されています。

特に注目すべきは、ピエト・モンドリアン、ソニア・ドローネ、ミシェル・スーフォー、カルメロ・アルデン・キン、ヴィクトル・ヴァザルリ、ジュス・ラファエル・ソト、ヤコブ・アガム、カルロス・クルズ=ディエズ、ソル・ルウィット、チリダ、トマセロ、ヌームール、ロースなど、143名もの著名な芸術家の作品が含まれている点です。これらの作品を通して、ヨーロッパ美術の流れの一端を垣間見ることができます。有名作家の図録なども数多く収蔵されており、美術研究者にとっても貴重な資料となるでしょう。

サトル・サトウ氏の作品を常設展示する部屋の他、4つの展示室があり、多様なテーマに基づいた企画展が開催されています。年末年始を除き、毎日開館しており、入場無料という点も魅力の一つです。

地域社会との連携：教育プログラムの充実

美術館の設立には、財政難を理由に市議会で一度は反対されましたが、市教育委員会の尽力により、生涯学習センターとしての活用を提案することで、最終的に議会の承認を得ることができました。

現在、美術館は学校教育との連携と、市民向けの親しみやすい事業展開という二つの柱を軸に活動しています。体験絵画教室や現代アート講座といった、幅広い年齢層が参加できる教育プログラムを実施し、地域社会に貢献しています。

アクセスと附属施設

美術館には、創作室、図書館、会議室、研修室といった附属施設も備わっています。アクセスは、東北自動車道若柳金成ICから車で35分、三陸縦貫自動車道登米ICから車で10分、東北新幹線くりこま高原駅からタクシーで45分、東北本線石越駅からタクシーで20分です。

周辺には、石ノ森章太郎ふるさと記念館、登米市歴史博物館など、他の芸術関連施設もあり、一日かけて芸術に触れる旅を楽しむことができます。サトル・サトウ・アート・ミュージアムは、静かに芸術と向き合いたい方、創造性を育みたい方、地域文化に触れたい方にとって、魅力的な場所と言えるでしょう。

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