サニゼット

サニゼット：パリの全自動有料公衆トイレ

サニゼット（Sanisette）は、フランス、特にパリの街角で見かける、全自動の有料公衆トイレです。コインを投入して利用する仕組みで、使用後の自動洗浄・消毒機能が特徴です。利用者の快適性と衛生面を考慮した設計となっています。

利用方法と機能

利用方法は簡単です。料金を投入し、ボタンを押すとドアが開き、中に入ることができます。使用後、退出すると自動でドアが閉まり、内部の洗浄と消毒が開始されます。この間、およそ60秒間は次の利用者のために待機状態となります。洗浄中はランプが点灯し、ドアが開かないようになっています。

利用上の注意点

サニゼットのオート洗浄は強力です。内部に忘れ物をした場合、水浸しになってしまう可能性がありますので注意が必要です。また、洗浄中に誤って入ってしまうことのないよう、ランプの状態を確認してから利用しましょう。

歴史的背景

19世紀のパリには、男性専用の公衆トイレが存在していました。カタツムリの殻のような形状から「エスカルゴ」という愛称で呼ばれていましたが、悪臭が問題となり、近代化の過程で撤去されました。その後、サニゼットが登場し、旧来のトイレに取って代わりました。現在でもパリには、最後に残った「エスカルゴ」が一つ保存されています。

古代ローマ時代には、皇帝ウェスパシアヌスが公衆トイレを設置しました。彼の名にちなんで、ヨーロッパ各地では公衆トイレを「vespasiennes」と呼ぶことがあります。

全自動公衆トイレの事故例

イギリスには「superloo」と呼ばれる同様の全自動有料公衆トイレが存在します。しかし、これらの全自動トイレでは事故も発生しています。

爆発事故: 電気系統の故障により、superlooが爆発する事故が発生しました。水回りに電気系統を配置したことが原因とみられています。
閉じ込め事故: 体重の軽い少年がsuperlooに閉じ込められる事故が発生しました。体重センサーの誤作動が原因と考えられています。

これらの事故は、全自動化された機能が必ずしも安全ではないことを示唆しています。過剰な自動化は、予期せぬ事故につながる可能性があることを認識しておく必要があります。

関連情報

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外部リンク

* blow up 'superloo' (BBC News): イギリスの全自動有料公衆トイレ「superloo」の爆発事故に関するBBCニュースの記事。

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