サフィル・タイデル

サフィル・タイデル

サフィル・タイデル（Saphir Sliti Taïder）は、1992年2月29日にフランスのタルヌ県カストルで生まれたサッカー選手です。ミッドフィールダーを専門としており、チュニジア人の父とアルジェリア人の母を持ちます。彼の兄であるナビル・タイデルもサッカー選手で、チュニジア代表としてプレー経験があります。日本では、NHKによる「テデール」という呼称でも知られています。

クラブ経歴

タイデルのプロキャリアは、フランスのグルノーブルで始まりました。2009-10シーズンの終盤にトップチームでデビューを果たし、チームがリーグ・ドゥ（フランス2部リーグ）に降格した翌シーズンも、彼は23試合に出場して貢献しました。しかし、グルノーブルは財政的な問題を抱え、シーズン終了後にアマチュアリーグへの降格を余儀なくされます。

これを機に、タイデルは活躍の場をイタリアへ移します。2011年夏、セリエAのボローニャFCと契約を結びました。ボローニャでのプレー期間中、2012年1月にはユヴェントスFCが彼の保有権の半分を取得するという動きがありましたが、シーズン終了後にボローニャが再び全保有権を買い戻すこととなりました。

2013年8月20日には、共同保有の形でインテルナツィオナーレ・ミラノへの移籍が決定します。インテルでの最初のシーズン、2013-14シーズンには合計25試合（途中出場12試合を含む）に出場しました。翌2014年7月3日、インテルはボローニャからタイデルの保有権を完全に買い取りました。

しかし、インテルでの定着は長く続きませんでした。2014年8月6日、彼はイングランドのサウサンプトンFCへ、買い取りオプション付きのレンタルで移籍することになります。この移籍は、イタリア代表FWダニエル・オスヴァルドとの実質的なトレードという形でした。ところが、サウサンプトンでの短い期間の後、クラブは9月1日に「チームが求めるレベルに達していない」ことを理由にレンタル契約の早期解除を決定します。急遽新たな移籍先を探すことになったタイデルは、USサッスオーロ・カルチョにレンタルで加入しました。

そして、2015年8月31日には、かつて所属したボローニャFCへの復帰が実現します。この移籍は、買取義務付きのレンタルという形式で、タイデルは2シーズンぶりにボローニャのユニフォームに袖を通しました。

代表経歴

ユース年代ではフランス代表に選ばれていましたが、フル代表では両親のルーツであるアルジェリアを選択しました。2013年3月26日に行われたワールドカップ予選のベナン戦でアルジェリア代表として公式デビューを果たし、この試合の決勝点となる代表初得点を挙げました。

興味深いことに、彼の兄ナビル・タイデルも年代別フランス代表を経験した後、チュニジア代表を選びました。ナビルは2006年のFIFAワールドカップ出場を目指しましたが、FIFAの裁定により出場は叶わず、最終的に代表入りが認められたのは2009年になってからでした。

サフィル・タイデルは、アルジェリア代表の一員として2014年のFIFAワールドカップに出場しました。2013年から2019年にかけてアルジェリア代表として国際Aマッチ46試合に出場し、5得点を記録しています。

彼は様々なクラブを渡り歩きながら、アルジェリア代表の主力ミッドフィールダーとして国際舞台でも存在感を示しました。

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