サブマージアーク溶接

サブマージアーク溶接 (SAW) とは

サブマージアーク溶接は、アーク溶接の一形式で、溶接ワイヤと粒状のフラックスを組み合わせて使用する技術です。この方式は、フラックスを溶接部に供給し、その内部にワイヤを供給することで溶接を行います。その特徴として、自動溶接法の中でも特に代表的な手法として認知されています。

特徴と利点

サブマージアーク溶接の主な利点は、高効率で高品質の溶接が可能ということです。溶接部の品質は非常に良好で、深い溶け込みを実現しながらも、スパッタの発生を最小限に抑えます。そのため、作業環境がきれいに保たれる点も魅力の一つです。

この溶接法は、主に下向きの姿勢で使用されることが多く、特に工作物があまり大きくない場合には、回転台やポジショナを利用して適切な角度での作業が行えます。しかし、上向きや立て向きの溶接は不向きです。フラックスによって溶接部は覆われるため、視覚的に確認しながらの作業はできませんが、音を頼りに進行状況を判断する必要があります。

装置の構成

サブマージアーク溶接では、いくつかの主要な機器が組み合わさって作業を行います。まず、溶接ワイヤを巻いたリールと電流、電圧、溶接進行速度を制御するための制御器が基本となります。

次に、フラックス供給装置や、ワイヤを送給するための電動機が存在し、これらの機器を通じてフラックスとワイヤがノズルを経由して供給されます。さらに、溶接後に発生するフラックスやスラグを分別回収するための箱も設置されています。これにより再使用可能なフラックスを効率的に管理できるのです。

作業手順の概要

作業手順としては以下のような手順が一般的です。まず、使用する溶接用ワイヤとフラックスを確認し、不適切なものがあれば交換します。次に、母材をノズルの下に正しく配置し、間隔を調整します。この段階では、20mm程度の距離が適当とされています。

その後、溶接機の電流、電圧、進行速度を大まかに設定しますが、電流と電圧はアークが発生しないと正確に測定できません。次に、ワイヤを少し出して溶接部に合わせたら、送り装置を移動させ、フラックスを出してから溶接を開始します。

溶接中は、設定した電流や電圧が正しいかを確認し、必要に応じて調整を行います。また、溶接部を見ることができないため、音によって溶接の状態を判断することが求められます。溶接の終盤でフラックス供給を停止し、残ったフラックスで最後の仕上げを行った後、作業を完了させます。

参考文献

この技術についての詳細は、厚生労働省の「ボイラー溶接士教本」やその他の専門書にて学ぶことができます。

結論

サブマージアーク溶接は、その高い効率性と優れた溶接品質から、多くの産業で重宝されています。技術を最大限に活かすためには、適切な設備と作業手順を守ることが重要です。

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