サブリミナル (世にも奇妙な物語)

サブリミナル (1992年)

1992年12月30日にフジテレビで放送されたドラマ『サブリミナル』は、主演に東幹久を迎え、星護の演出と高山直也の脚本によるもので、視聴者の関心を引きつけました。この作品は、近未来の日本を舞台に、急増する高齢者の自殺問題に直面する記者たちの物語を描いています。

ストーリーの概要

物語は1997年、5年後の日本が舞台です。この時期、日本の人口は3億4千万に達し、65歳以上の高齢者も増加傾向にありました。主人公の西村弘明（東幹久）は、大手新聞社の社会部に異動になり、ベテラン記者の神野（森本レオ）とコンビを組むことになります。二人は最近頻発する老人の自殺事件を調査することになり、具体的な手がかりが見つからないまま新たな自殺の報告が相次ぎます。

そんな折、西村のもとに「心理学を教える大学教授」という岡村から電話が入ります。彼は、老人の自殺現象の原因を掴んでおり、直接会って話がしたいと訴えます。しかし、約束の場所には姿が見えず、彼が失踪中であることがわかります。二人は岡村の妻を訪ね、彼の研究がサブリミナルに関係していることを知ります。これを契機に二人は「サブリミナル効果が、老人に自殺を促しているのではないか」と仮説を立て、調査を続けます。

サブリミナルの発見

調査中、西村は自殺が始まった時期と一致するCMを発見します。そのCMは「パラダイスガム」と呼ばれる商品で、セクシーな美女が踊りながら登場する内容。二人はこのCMにサブリミナルメッセージが隠されている可能性を考え、解析を進めます。そして、映像の中に「バイバイ65 65歳以上の者は自ら死を選べ」という衝撃のメッセージを見つけ出します。同時に、新たに提案された「ハッピー65」という年金倍増制度が背景にあることも思い出します。

この一連の自殺事件は、政府が「ハッピー65」を提案することで支持率を上げ、その後に高齢者を排除するための陰謀ではないかという信じがたい結論に至るのです。報告を受けた編集長は憶測では記事にできないと却下しますが、使命感に燃えた二人はライバル社に情報をリークしようとします。

危険な逃走

その途中、二人は突如として車に襲われ、神野が危うくなりながらも西村を助けますが、神野自身が車にひかれてしまいます。周囲の人々に救急車を呼ぶよう頼むも、誰一人として返事をしません。その後現れた救急隊員が意識を失った神野を搬送しますが、彼もまた「パラダイスガム」を噛んでおり、西村はその場の人々が全員敵であることに気付き、逃げることになります。

混乱の中、西村はインタビュー中の生放送に乱入し、自身の掴んだ真実を訴えますが、すぐに中断されます。さらには群衆に取り囲まれ、暴行を受ける羽目に。その瞬間、流れるCMが彼の運命を示すもので、「この男を抹殺せよ」というメッセージが表示されます。これにより、西村は政府や社会の陰謀に巻き込まれていく恐怖の場面が描かれています。

サブリミナルの実態

本作のテーマであるサブリミナル効果はフィクションの中のみでのことで、実際には特定の人を自殺に追い込むような力を持たないことが科学的に示されています。現実のサブリミナル広告は疑似科学として否定されているのです。このドラマは、社会への警鐘として一つの重要なメッセージを投げかけています。

出演者

このドラマには、キャストに東幹久、森本レオ以外にも多くの高名な俳優が参加しており、緊迫感のあるシーンを盛り上げます。特に、サブリミナル効果の影響を受けた老人の自殺に至る過程が社会問題として、強く観客に訴えかける内容となっています。

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