サポウイルス

サポウイルス（Sapovirus）とは

サポウイルス（Genus Sapovirus、SaV）は、カリシウイルス科に属するウイルスの属であり、サッポロウイルス（Sapporo virus）が唯一の種として知られています。この名前は、最初に集団感染が確認された札幌の孤児院に由来します。

サポウイルスの特徴

自然宿主: 主にヒトおよびブタ
構造: エンベロープを持たない正二十面体で、直径27-40nmと小型。特徴的な星形（ダビデの星）の電子顕微鏡像を示す。
ゲノム: 約8,300塩基のプラス鎖一本鎖RNA
分類: プラス一本鎖RNAウイルスに分類され、ジェノグループが7つ存在する。ヒトに感染するのはGI、GII、GIV、GVの4種類。

サポウイルスの歴史

1977年: 札幌で発生した幼児の集団胃腸炎から発見され、「サッポロウイルス」と命名。
1992年: 関東地方で10～30代の感染が多発。
2002年: 国際ウイルス学会で「サポウイルス属」と正式に命名。

サポウイルス感染症

サポウイルスは、ウイルス性胃腸炎の主要な原因ウイルスの一つです。特に、ノロウイルスとともに成人のウイルス性急性胃腸炎を引き起こすことで知られていますが、ノロウイルスと比較して小児には比較的穏やかな症状を引き起こす傾向があります。

症状

主な症状としては、以下のものがあります。

腹痛
発熱
嘔気

集団食中毒の原因となることもあります。

予防

サポウイルスの感染予防には、日々の衛生管理が不可欠です。

手洗い: トイレ後、食事前、調理前には必ず丁寧に手を洗いましょう。
消毒: 汚染された表面は、消毒剤や漂白剤を含む溶液で清掃します。
感染者との接触: 感染者との接触を避け、食べ物や飲み物を共有しないようにしましょう。

院内感染対策

病院内での感染拡大を防ぐためには、以下の対策が重要です。

患者の隔離: 感染した患者は隔離します。
スタッフの業務停止: 感染したスタッフは業務から離れましょう。
感染経路の遮断: ベッドパンの洗浄など、感染リスクのある作業は慎重に行いましょう。
感染拡大時の対応: 必要に応じて病棟の閉鎖や新規入院の停止を検討します。
職員の移動制限: 感染病棟から非感染病棟への職員の移動は禁止します。
* 集団活動の制限: 集団活動や面会を中止します。

まとめ

サポウイルスは、胃腸炎を引き起こす一般的なウイルスであり、特に集団感染のリスクがあります。日々の衛生管理を徹底し、感染が疑われる場合は速やかに医療機関を受診しましょう。また、病院内での感染対策を徹底することで、感染拡大を防止することが可能です。

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