サラゴサ国際博覧会

サラゴサ 国際博覧会（Expo Zaragoza 2008）

2008年 6月14日から9月14日までの93日間、スペインのアラゴン州サラゴサで開催された国際博覧会（Expo Zaragoza 2008）は、水と持続可能な開発をテーマにした、初の認定博覧会でした。この博覧会は、2005年12月の第138回BIE総会で正式に認定され、水資源の重要性と持続可能な開発への意識を高めることを目的としていました。

テーマとサブテーマ

メインテーマは「水と持続可能な開発（Water and Sustainable Development）」であり、以下の4つのサブテーマが設定されました。

水─限りある資源（Water, a unique resource）: 水が有限な資源であることを強調し、その適切な管理の必要性を訴えました。
生命の源である水（Water for life）: 生命維持に不可欠な水という視点から、その重要性を再認識させました。
水のある風景（Waterscapes）: 水と景観の関わりに焦点を当て、水がもたらす美しさを示しました。
水─人々をつなぐ要素（Shared water）: 水が人々を結びつける共通の要素であることを強調し、国際協力の重要性を訴えました。

愛称とシンボル

博覧会の愛称は「ZH2O」で、サラゴサの頭文字「Z」と水の化学式「H2O」を組み合わせたものでした。これは、サラゴサと水が密接な関係にあることを象徴しています。

シンボルマークは、スペインの国旗の色である青・赤・黄で彩られ、サラゴサ市を象徴しています。また、サラゴサの「Z」は水滴をイメージしたデザインで、都市と水の共生を表現しています。

マスコット：フルービー

博覧会のマスコットは、半透明のゼリー状の水生命体「フルービー(Fluvi)」でした。陽気な性格で、触れるものすべてを浄化する能力を持つフルービーは、すべての水の供給を図るポーシス（POSIS）一族の一員として設定されています。エブロ川の川辺に住んでおり、動くと周囲に小さな水滴を放ちます。フルービーは、水と持続可能な開発のテーマを体現したキャラクターとして、来場者に親しまれました。

フルービーには、少し気難しいポー（PO）という友人がいます。また、ネガス（NEGAS）という敵対する水生命体が存在します。ネガスは水を吸収し汚染する力を持つポーシスとは正反対の存在で、水を得るほど強大になり、水を失うと弱体化します。フルービーは、ネガスに奪われた土地を回復させる力を持っています。

フルービーのデザインは、公募によりカタルーニャ州在住のセルジ・ロペスの作品が採用されました。

アニメ『Las Aventuras de Fluvi』

博覧会を盛り上げるため、フルービーを主人公としたアニメ『Las Aventuras de Fluvi』が制作され、2007年から2008年にかけてスペインで放送されました。第2期は2005年愛知万博との共同制作で、前半の話数にモリゾーとキッコロがゲストとして登場しました。日本では、モリゾーとキッコロが登場したエピソードが『モリゾー・キッコロとフルービー守れ!みんなの水の惑星』としてNHK教育テレビで放送されました。

アニメーション制作は、スペインのHampa Studioが担当し、声の出演には、モリゾー役の八奈見乗児、キッコロ役の渡辺菜生子、フルービー役の摩味らが参加しました。

入場料

博覧会の入場料は、一日券が35ユーロ、三日券が70ユーロ、シーズンパスポートが210ユーロ、夜間入場券（午後8時以降）が18ユーロでした。事前購入割引や小人、中人、老人・身体障害者、ユースカード、団体等、各種割引が用意されていました。

日本デー

2008年7月21日には、日本デーが開催され、日本館を中心にさまざまなイベントが催されました。

企業協賛

博覧会は、多くの企業からの協賛を受け、パートナー、スポンサー、メディアスポンサー、コンテンツスポンサー、フレンド・オブ・エキスポといった形でサポートされました。

日本の参加

日本政府は、2006年10月20日に独立行政法人[日本貿易振興機構]を参加機関とし、公式に参加を表明しました。

外部リンク

ウェブサイト (BIE)
サラゴサ万博公式サイト（英語・フランス語・スペイン語）
* 2008年以降EXPOサラゴサ - 日本におけるスペインの観光の公式サイト（日本語）

サラゴサ国際博覧会は、水資源の重要性を再認識させ、持続可能な開発に向けた意識を高める上で、重要な役割を果たしました。

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