サラマンドル賞

サラマンドル賞：フランス競馬史に輝く、今は亡き名競走

サラマンドル賞（Prix de la Salamandre）は、フランスのロンシャン競馬場で開催されていた、2歳馬による重要な競走でした。1872年にシャンティイ競馬場を舞台に創設されたこの競走は、その後1900年にロンシャン競馬場に移転、賞金も大幅に増加し、フランス競馬界における地位を確固たるものにしていきました。

特に1971年の重賞競走格付けにおいて、G1に格付けされたことは、サラマンドル賞の権威を決定的に高めました。同時期にG1に格付けされた競走には、ロベールパパン賞、モルニ賞、クリテリウム・デ・プーリッシュ、グランクリテリウム、フォレ賞など、フランス競馬を代表する競走が名を連ねており、サラマンドル賞もその仲間入りを果たしたのです。

サラマンドル賞の歴史には、数々のドラマがありました。1958年にはLovely RoseとPrincilonが同着優勝という珍しい結果となり、競馬ファンの記憶に強く刻まれました。また、1982年にはDeep RootsとMaximovaが同着優勝という結果を残しています。これらの出来事は、サラマンドル賞がいかにスリリングで記憶に残る競走であったかを示しています。

サラマンドル賞は、多くの名馬を輩出しました。1908年のOversight、1920年のKsar、1942年のBuena Vista、1970年のMy Swallow、1976年のBlushing Groom、1978年のIrish River、1980年のMiswaki、1986年のMiesque、1989年のMachiavellian、1990年のHector Protector、1991年のArazi、1992年のZafonic、1994年のPennekamp、1997年のXaaf、そして1999年のGiant's Causewayなど、数々の名馬がサラマンドル賞を制覇し、その後の活躍へと繋げていきました。これらの優勝馬たちは、サラマンドル賞の歴史を彩る、輝けるスターたちです。

しかし、2001年、フランスギャロによる2歳馬路線の大幅な改編により、サラマンドル賞は廃止されることになりました。後継競走として創設されたのは、クリテリウム・アンテルナシオナルです。2000年9月16日に行われたレースが、サラマンドル賞の最後のレースとなりました。長くフランス競馬界を彩り、多くの名馬を輩出してきたサラマンドル賞の廃止は、多くの競馬ファンに惜しまれ、フランス競馬史に一つの時代を閉じました。サラマンドル賞は、その歴史と伝統、そして名馬たちの活躍を通じて、フランス競馬史に永遠に刻まれるであろう、名実ともに重要な競走だったのです。

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