サラ・マクラクラン

サラ・マクラクラン：天使の歌声を持つカナダの歌姫

サラ・アン・マクラクラン（Sarah Ann McLachlan）は、1968年1月28日、カナダのノバスコシア州ハリファックスで生まれたシンガーソングライターです。彼女の音楽は、その透明感あふれる歌声と、繊細で内省的な歌詞で世界中の人々を魅了し続けています。4000万枚を超えるアルバムセールスが、彼女の音楽が広く愛されている証です。

デビューまで

幼少の頃からピアノ、ギター、そしてクラシックの声楽を学んだマクラクランは、次第にニューウェイヴ系の音楽にも傾倒していきました。17歳でソロデビューの話が舞い込みますが、両親の勧めで高校を卒業後、地元の美術大学に進学します。その後バンクーバーに移り住み、1988年にアルバム『タッチ』でデビューを果たします。翌年には世界中で発売され、日本でも収録曲「VOX」がCMに起用され、大きな話題となりました。

大ブレイク

1994年に発表された3枚目のアルバム『エクスタシー』は、当初チャートでは目立った動きを見せませんでしたが、62週にわたってチャートインし続け、最終的には全米だけで500万枚を売り上げる大ヒットとなりました。そして、1997年に発表された4枚目のアルバム『サーフェシング』は、ビルボードチャート初登場2位を記録し、全米で800万枚、全世界で1000万枚を超える大ヒットとなり、ダイアモンドに認定されました。このアルバムからは、「Building A Mystery」「Adia」「Angel」といったヒットシングルが生まれ、特に「Angel」は、様々なアーティストにカバーされ、マクラクランの代表曲の一つとして、現在もライブで頻繁に披露されています。

リリス・フェアの提唱

『サーフェシング』の発表に先駆け、マクラクランは女性主導型のライブイベント「リリス・フェア」を提唱しました。このイベントには、ジュエル、シェリル・クロウ、スザンヌ・ヴェガ、インディゴ・ガールズなど、世界中の女性アーティストが賛同し、1997年から1999年にかけて全米およびカナダ各地で開催され、大成功を収めました。リリス・フェアは、女性アーティストの活躍の場を広げ、音楽業界における女性の地位向上に大きく貢献したと言えるでしょう。

その後

1999年には、ライブアルバム『ミラーボール』を発表し、これも200万枚を超えるヒットとなりました。リリス・フェアの最後のツアーを終えた後は、子育てや家庭に専念する時期もありました。2001年にはブリティッシュコロンビア勲章を受章しています。

2004年にはアルバム『アフターグロウ』で音楽活動を再開し、2010年にはバンクーバーオリンピックの開会式で「オーディナリー・ミラクル」を歌唱しました。2010年には7年ぶりのスタジオアルバム『ザ・ロウズ・オブ・イリュージョン』を発表しています。

サラ・マクラクランは、その美しい歌声と才能、そして音楽業界への貢献を通じて、多くの人々に感動を与え続けています。

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