サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ

サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール＝サウードについて

サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール＝サウード（Salmān bin ʻAbd al-ʻAzīz Āl Saʻūd）は、1935年12月31日に生まれた第7代サウジアラビア国王であり、2015年1月23日に即位しました。彼は初代国王イブン・サウードの25番目の男子であり、大きな影響力を持つスデイリ家の一員として知られています。サルマン国王は、異母兄である第6代国王アブドゥッラーの後を継ぎ、様々な挑戦と改革を推進しています。

生い立ちと初期のキャリア

サルマンは、イブン・サウードが救済したハッサ妃との間に生まれた「スデイリー・セブン」と呼ばれる同母兄弟の一人です。彼の初期の政治キャリアは1954年に始まり、リヤード州のアミールおよび副知事に就任しました。その後1955年から1960年、再び1963年から2011年までリヤード州知事を務めました。彼の政治的な影響は1980年代中頃から強まり、同母兄のスルターン王太子の死後、国防大臣に就任しました。

即位と治世の初期

2015年1月23日に即位したサルマン国王は、王位継承制度を大きく変更しました。彼は王太子を次々と昇格させ、特に息子のムハンマド・ビン・サルマーンを国防大臣として重要な位置に据えました。サルマーンは、改革を進めつつ、権力をスデイリー家の一族に集中させる動きに出たため、彼の支配下での人事や政策には賛否があります。

経済改革と外交

彼の治世の特徴として、急進的な経済改革を掲げた「サウディビジョン2030」が挙げられます。このプランは経済の多様化を目指し、石油依存から脱却することを目指しています。しかし、息子のムハンマド王太子による独走的な方式に対して、内部では不満が生まれています。軍事的介入や外交政策においても、その手法には賛否が分かれ、国際的な注目を集めています。

権力闘争と内的問題

サルマン国王の治世は、しばしば権力闘争の様相を呈しています。特に、2017年には反汚職委員会の設立と、ムハンマド王太子による王族の逮捕が注目を浴びました。この動きは汚職撲滅を名目としていますが、実際には主導権を確保するための策略だと多くの人が考えています。また、認知症が報じられ、実際の統治は息子のムハンマドに任されることが多くなっています。

婚姻と家族

サルマン国王には、3人の妻がいます。スルターナ、サーラ王妃、ファハダ王妃であり、それぞれに息子たちがいます。特に、ファハダ王妃の子供は、現在注目されるムハンマド・ビン・サルマーン王太子を含んでいます。

近年の健康問題

最近では、サルマン国王が肺炎の治療を受けることで健康状態が心配されていますが、彼の治世は依然として国の政治や経済に大きな影響を及ぼしています。彼のリーダーシップの下でサウジアラビアは変革の時代に向かっていますが、それに伴う内外の反発も見られる状況です。

サルマン国王の治世は、サウジアラビアにおける重要な歴史的瞬間であり、今後の展開にも注目が集まっている状況です。彼の力強いビジョンと、それに対する賛否、さらには彼の健康状態が、今後のサウジアラビアの行く先を決定付けることになるのでしょう。

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