サルヴァトーレ・クァジモド

サルヴァトーレ・クァジモド (Salvatore Quasimodo)

サルヴァトーレ・クァジモドは、1901年にイタリアのシチリア州モーディカで生まれ、1968年に亡くなるまで多くの影響力ある詩を生み出した作家です。彼は1959年にノーベル文学賞を受賞し、20世紀イタリア文学を代表する詩人として名を馳せました。クァジモドは、ジュゼッペ・ウンガレッティやエウジェーニオ・モンターレと並び称され、彼の作品は様々なテーマを取り扱っています。

生い立ちと教育

クァジモドは幼少期、父の仕事の関係でメッシーナに移り住みました。この地での経験は、自然の力の大きさを知る契機となり、彼の作品に影響を与えました。1919年には地元の工業大学を卒業し、その後ローマに移るも、経済的な困難から工学の職に就かざるを得ませんでした。この時期に彼は多くのレビューに参加し、ギリシャ語やラテン語を学びました。

詩作活動の始まり

彼の文学活動は1917年に始まり、短命の文芸誌「Nuovo giornale letterario」を創刊し、初めての詩を発表しました。その後、1929年にフィレンツェに移ると、著名な詩人たちと出会いながら、初の詩集『Acque e terre』を出版。これは彼の詩作の飛躍と新たな創作活動を促しました。

作家としての成長

1932年には多くの詩人と共同で『Oboe sommerso』を発表し、彼の詩的世界がさらに広がります。1934年にはミラノに移住し、詩作に専念し始めました。1940年にはミラノ大学文学部の教授に就任し、文学教育に尽力しました。

第二次世界大戦中、彼は反ファシズムの立場を取りつつ、翻訳や批評活動に注力しました。戦後は、社会に対する鋭い視点を詩に反映させた作品を生み出し続け、道徳的・社会的な問題を扱った詩集『Giorno dopo giorno』などを発表しました。

業績と影響

クァジモドは1950年代に数々の文学賞を受賞し、特に1959年のノーベル文学賞は彼の詩の評価を決定づけるものでした。また、1950年にはSan Babila賞、1953年のEtna-Taormina賞、1958年にはViareggio賞も受賞しています。彼は生涯にわたり古典の翻訳や評論活動を続け、イタリア文学の発展に寄与しました。

晩年と死

彼は晩年にはアメリカやヨーロッパで講演を行い、その影響は国境を越えて広がりました。1968年、アマルフィでの講演中に脳出血に見舞われ、ナポリの病院で亡くなりました。彼の遺体はミラノの墓地に埋葬されています。

代表的な作品

クァジモドの詩集には、次のような作品があります：

• - 『Acque e terre』 (1930)
• - 『Oboe sommerso』 (1932)
• - 『Poesie』 (1938)
• - 『Lirici Greci』 (1940)
• - 『Giorno dopo giorno』 (1947)
• - 『La vita non è sogno』 (1949)
• - 『Il falso e vero verde』 (1954)

彼の詩は、ラテン語やギリシャ語の詩を翻訳した作品も含まれ、彼の幅広い文学的な影響を示しています。

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