サルヴァトーレ・クオモ

サルヴァトーレ・クオモ：ナポリから世界へ、情熱を込めたイタリア料理の伝道師

サルヴァトーレ・クオモ氏は、1972年にイタリアのナポリで生まれました。イタリア人の父と日本人の母を持ち、幼い頃から両方の文化に触れて育ちました。父はナポリでイタリアンシェフとして腕を振るっており、その姿に憧れて11歳から料理の修行を始めました。

1984年、父親が千葉県にイタリアンレストランを開業したことを機に、クオモ氏も日本へ。しかし、当時の日本での生活は必ずしも良い経験ばかりではなかったそうです。それでも、彼は日本におけるイタリア料理の可能性にいち早く気づき、兄弟と共に日本の食文化を研究。2年間の市場調査を経て、独自のナポリピッツァを提供するレストランを東京にオープンしました。

多岐にわたるレストラン経営とメディアへの露出

現在、クオモ氏は「Pizza Salvatore」をはじめ、「The Kitchen Salvatore Cuomo」、「Salvatore Cuomo Bros」、「BOTTEGA Casual Dining」、「CAFE AL GRAZIE」、「Italiaichiba BAR」など、多様なブランドのレストランを国内外で77店舗以上展開しています。

また、料理の鉄人やアメリカ版料理の鉄人、WOWOWのイタリア料理番組「Buono Sera」など、数々のテレビ番組にも出演。その明るいキャラクターと情熱的な料理への姿勢は、多くの視聴者を魅了しました。

日本におけるナポリピッツァの普及

1995年、クオモ氏は東京都目黒川沿いに、本格的なナポリピッツァを提供する店「サルヴァトーレ」をオープンしました。当時、日本ではナポリピッツァを焼くために必要な高温の薪窯が普及しておらず、アメリカ発祥のピザが主流でした。しかし、クオモ氏はイタリアから薪窯を輸入し、本場の味を日本に広めることに尽力しました。目黒川の店は後に閉店しましたが、「サルヴァトーレ」はその後全国に56店舗（2012年時点）を展開するチェーン店へと成長しました。

活躍の場を世界へ

近年では、辻口博啓氏とのコラボレーションや、ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾートへの出店など、新たな試みにも積極的に挑戦しています。2014年には台湾で初のレストランをオープンし、台湾経済に大きな影響を与えたと報じられました。また、同店のピザシェフが国際的なピザコンテストで優勝するなど、台湾におけるイタリア料理の発展にも貢献しています。

さらに、中国では「ナポリからの贈り物」、韓国では「大切なご褒美」と称されるなど、アジア各国で高い評価を得ています。トラベルチャンネルの番組では、クオモ氏が運営するレストランが「日本のエリートの最後の行き先」と評されるなど、その影響力は食の世界にとどまりません。

受賞歴と現在の活動

クオモ氏は、ナポリで開催される国際的なピザフェスティバルで何度も上位入賞を果たしており、ワイン業界のプロモーション活動を認定されるなど、数々の賞を受賞しています。現在は、ワイズテーブルコーポレーションの副会長兼COO、エグゼクティブシェフとして、多岐にわたる事業を統括しています。

サルヴァトーレ・クオモ氏の情熱と才能は、イタリア料理を世界に広める原動力となっています。彼の料理に対する真摯な姿勢と、常に新しいことに挑戦する精神は、これからも多くの人々に感動と喜びを与え続けるでしょう。

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