サンカヨウ

サンカヨウ (山荷葉)

サンカヨウ（学名：Diphylleia grayi）は、メギ科サンカヨウ属に分類される多年草です。その独特な姿と、雨に濡れると花びらが透明になるという珍しい特徴から、山野草愛好家や写真愛好家の間で人気があります。

分布と生育環境

サンカヨウは、本州中部以北から北海道、大山、サハリンにかけて分布しています。深山のやや湿った場所を好み、沢沿いや林床などで見られます。特に、落葉広葉樹林の林縁や、湿り気のある斜面などに自生することが多いです。

特徴

サンカヨウは、草丈30～70cm程度に成長する多年草です。茎は直立し、その先に特徴的な花と葉をつけます。

葉

葉は、大小2枚が対になって生えます。大きい葉は、フキの葉に似た円形に近い形状で、直径20～30cmにもなります。葉の縁には浅い切れ込みがあり、表面は緑色で、裏面はやや白っぽくなっています。小さい葉は、大きい葉よりも小さく、花が咲く際に花柄を支えるように花の下につきます。大きい葉には花はつきません。

花

花期は5～7月頃で、茎の先端に直径2cmほどの白色の花を数個つけます。花は下向きに咲き、雨に濡れると花びらが透明になるという珍しい性質を持っています。雨上がりのサンカヨウは、まるでガラス細工のように美しく、多くの人を魅了します。花びらは乾くと元の白色に戻ります。

実

花が終わると、濃い青紫色の白い粉を帯びた実をつけます。この実は食用になり、甘い味がします。ただし、大量に摂取するとお腹を壊す可能性があるため、注意が必要です。

その他

サンカヨウは、その独特な姿と生態から、多くの人に愛されています。特に、雨に濡れて花びらが透明になる姿は非常に美しく、写真撮影の対象としても人気があります。また、山野草として庭に植えられることもあります。しかし、野生のサンカヨウは、環境の変化や盗掘などによって数が減少しているため、保護活動も行われています。

サンカヨウは、その美しさと珍しさから、自然を愛する人々にとって特別な存在と言えるでしょう。

解説画像

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脚注

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