サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、イタリア・フィレンツェに位置する、ドメニコ会によって建立された重要な教会です。その歴史は13世紀に遡り、幾度もの改修を経て現在の姿に至っています。教会のファサードは、ルネサンス建築の傑作として知られ、内部には数々の芸術作品が所蔵されています。

歴史

1219年、ドメニコ会修道士たちがフィレンツェに到着し、1221年にサンタ・マリア・デッレ・ヴィーニェ教会を入手しました。この教会を基に、1242年にはより大きな建物の建設が決定されました。1279年には礎石が置かれ、14世紀半ばに建設が完了しました。建設には、フラ・シスト・ダ・フィレンツェ、フラ・リストーロ・ダ・カンピ、フラ・ヤコポ・パッサヴァンティなどが携わりました。その後、15世紀にはレオン・バッティスタ・アルベルティがファサードの設計を行い、16世紀にはジョルジョ・ヴァザーリが教会の内装を改修しました。20世紀から21世紀にかけても、度重なる修復工事が行われています。

ファサード

教会のファサードは、ルネサンス以前に建設が始まりましたが、1470年にレオン・バッティスタ・アルベルティの設計により完成しました。白色と緑色の大理石で装飾され、幾何学的なデザインが特徴です。ファサード上部には、ジョヴァンニ・ルチェッライの紋章が刻まれており、また、16世紀にはドメニコ会修道士で天文学者のエニツィオ・ダンティによって、日時計と渾天儀が設置されました。

聖堂内部

教会内部は、ゴシック様式が適用された最初の建築物であり、特にシトー会のゴシック建築の特徴が見られます。全長約100メートル、幅約23メートルの三身廊構成で、柱の配置によって錯覚が生じ、実際よりも広く見えるように設計されています。また、16世紀には聖職者と信者の間を隔てていた仕切りが取り払われました。ジョット作の≪キリスト磔刑≫は、中央身廊の高い位置に設置されています。14世紀から15世紀にかけて制作されたステンドグラスも重要な作品です。

側廊

左側廊には、サンティ・ディ・ティートの≪ラザロの復活≫、マザッチョの≪聖三位一体≫など、数々の祭壇画が並びます。説教壇は、フィリッポ・ブルネッレスキの意匠に基づき制作されました。右側廊にも、ジローラモ・マッキエッティの≪聖ラウレンティウスの殉教≫などの祭壇画が設置されています。

翼廊

翼廊には、主礼拝堂を中心に、複数の礼拝堂が配置されています。主礼拝堂（トルナブォーニ家の礼拝堂）には、ドメニコ・ギルランダイオによるフレスコ画連作があり、ミケランジェロも制作に携わったとされています。フィリッポ・ストロッツィの礼拝堂には、フィリッピーノ・リッピのフレスコ画があり、ゴンディ家礼拝堂には、フィリッポ・ブルネッレスキによる木彫の≪キリスト磔刑≫が設置されています。ガッディ家礼拝堂は、ジョヴァンニ・アントニオ・ドシオの設計によるもので、ブロンズィーノなどの絵画作品が見られます。

修道院

教会には、修道院と3つの大きな回廊が隣接しています。緑の回廊は、パオロ・ウッチェッロによってフレスコ画で装飾されています。スペイン人大礼拝堂は、アンドレア・ボナイウティによってフレスコ画が描かれています。旧食堂は、現在美術館として利用されています。

まとめ

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、フィレンツェの歴史と芸術を象徴する重要な建造物です。その美しい建築と数々の芸術作品は、訪れる人々を魅了し続けています。

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