サンダー (バンド)

サンダー (Thunder) : ハードロックバンド

サンダーは、イングランド出身のハードロックバンドです。卓越した音楽性と哀愁漂うダニー・ボウズの歌声で、英国を代表するグループとして人気を博しました。ルーク・モーリーのプロデュース能力とソングライティング、そしてメンバー個々の演奏能力とコーラスワークが、彼らの音楽を特別なものにしています。歌詞とタイトルは、言葉の組み合わせが絶妙で、リアリティに満ち溢れています。

バンド名は、1stアルバム『Backstreet Symphony』に収録されている「Distant Thunder」から取られました。

バイオグラフィー

テラプレイン解散、そしてサンダー結成へ

1988年12月31日、ダニーとルークが在籍していたTERRAPLANE（テラプレイン）が解散しました。バンドの方向性の違いから、解散という決断に至ります。

1989年1月2日、ダニーとルークは新たなバンド、THUNDERを結成します。

デモテープ制作とメンバー加入

1月12日、デモテープのレコーディングを開始しますが、予定していたドラマーが別のバンドのツアーに参加することになり、急遽ドラマーを探す必要に迫られました。そこで、TERRAPLANEのドラマーだったハリーに相談したところ、彼は一度は冗談で断りますが、ダニーとルークの熱意に心を動かされ、バンドに参加することを決意します。

2月21日、EMIの関係者も同席してのリハーサルが行われました。この時のベースは、BAD COMPANYのスティーヴ・プライスが担当しました。

4月10日、デモ録音が行われました。ルークがベースも担当し、プロデューサーはTERRAPLANE時代からの友人である元Duran Duranのアンディ・テイラー、エンジニアはベンが担当しました。このデモの出来栄えが非常に良かったことが、ハリーがバンドに参加する決め手となりました。

4月27日、ハリーはスネイクがベースを弾いていたブルースバンドをライブハウスで目撃します。

4月28日、EMIとの契約を締結。

5月2日、ベーシストのスネイクが加入し、メンバーが揃いました。

6月2日には、ギターとキーボードを弾き、スタジオ・エンジニアもこなすマルチプレイヤーのベンが加入。

デビューアルバム「Backstreet Symphony」

8月3日、「Backstreet Symphony」のフロントカバー用の写真撮影が行われました。ルークの母親で美術教師のクリスティン・モーリーがアートワークを担当。アルバムタイトルから連想し、裏道で指揮者に扮したハリーがホームレスと娼婦を指揮している様子が表現されています。

8月7日、「Backstreet Symphony」のレコーディングが開始されました。プロデューサーはアンディ、エンジニアはAEROSMITHやBon Joviなどを手がけたマイク・フレイザー、エンジニア補佐はベンが担当しました。

10月18日、アメリカのカリフォルニア州パサディナの市民ホールにて「She's So Fine」のPV撮影が行われました。

デビューとアメリカでの苦戦

1990年3月5日（国内盤は4月25日）に、アルバム「Backstreet Symphony」でデビュー。全英チャートで初登場21位を獲得しました。

4月4日、ニューヨークにてアメリカ・メディア向けのライブを実施。

4月10日、ロサンゼルスでも同様のライブを行いましたが、当時アメリカではグランジが流行していたため、アメリカのレーベルCapitolはイギリスのバンドにあまり関心を示しませんでした。Capitolの熱意の無さに、ダニーはメンバーと相談し、レーベルを変えることを決意します。

ドニントンでの高評価と日本での成功

8月18日、ドニントン「MONSTERS OF ROCK」に出演。サンダーは最高のオープニング・アクトとして称賛を浴びました。

その後もアルバムのリリースやライブ活動を精力的に行い、日本でも人気を獲得。しかし、メンバーの脱退や音楽性の変化など、様々な困難に直面します。

1999年、レコード会社とのやり取りに疲弊したことや、年齢を重ねるにつれてチャンスが減っていくことを悟り、解散を決意。2000年に解散ツアーを行い、一度活動を終えます。

再結成、そして現在へ

2002年、ダニーが「MONSTERS OF ROCK」を屋内で行うアイデアをプロモーターに提案したことがきっかけとなり、サンダーは期間限定で再結成。その後、正式に再結成し、現在も活動を続けています。

2022年8月、ダニーが頭蓋骨骨折と脳卒中を発症しましたが、手術は成功。リハビリを経て2023年2月にラジオ番組に復帰しました。

メンバー

現ラインナップ

ダニー・ボウズ (Daniel John Bowes)：ボーカル
ルーク・モーリー (Luke Morley)：ギター
ベン・マシューズ (Ben Matthews)：ギター/キーボード
クリス・チャイルズ (Chris Childs)：ベース
ゲイリー "ハリー" ジェイムス (Gary "Harry" James)：ドラムス

旧メンバー

マーク・スネイク・ラックハースト (Snake Luckhurst)：ベース (1989–1992)
* マイケル・ホグランド (Mikael Hoglund)：ベース (1993–1996)

ディスコグラフィー

(CDアルバム、コンピレーションアルバム、ライブアルバム、ビデオ、DVD、ソロアルバム、デュオアルバムのリストは省略)

サンダーは、その音楽性とパフォーマンスで、多くのファンを魅了し続けています。彼らの音楽は、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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