サンダーバード (伝説の生物)

雷を操る精霊、サンダーバードの謎

[カナダ]]西海岸部やアメリカの先住民族の間で語り継がれるサンダーバードは、未確認動物]として知られています。その姿は、[[雷のような色をした羽を持つ巨大な鷲。大きさは5メートル弱にも達し、自由に雷を操り、獲物を仕留めるといわれています。

複数の部族の神話に登場するサンダーバードですが、雷と関連する巨鳥という共通点以外、その描写は部族によって異なります。北米で発見される巨鳥型のUMAは、しばしばサンダーバードと同一視されます。

部族ごとの伝承

クイルラユー族の伝承では、サンダーバードはカヌーの2倍以上の大きさの翼を持ち、巨大なくちばし、燃えるような目をしています。オリンピック山脈に生息し、鯨を捕食するとも。飢饉に見舞われた際に、族長がサンダーバードに祈ったところ、鯨が現れ、部族を救ったという伝説が残されています。

スー族の伝承では、サンダーバードは「ワキンヤン(Wakinyan)」または「ワウケオン(Waukheon)」と呼ばれ、嘴と蹴爪だけしか描写されないなど、他の部族の伝承とは異なる特徴が見られます。

数々の目撃情報と議論

サンダーバードの目撃情報は古くから存在します。1890年にはアリゾナ州で、巨大な翼を持つ生物が殺されたという報告があります。コウモリのような翼とワニのような顔をしたその生物は、広げた翼が納屋の長さを超えていたと伝えられています。しかし、この事件を裏付ける写真などの証拠は存在せず、歴史的には認められていません。

1960～70年代には、ワシントン州、ユタ州、アイダホ州などで、パイパーカブ軽飛行機ほどの大きさの鳥が目撃されています。大きな足跡などの証拠が報告されたケースもあります。

1997年にはイリノイ州で、10歳の少年がサンダーバードらしき鳥に襲われる事件が発生。鳥は少年の肩をつかんで持ち上げ、ある程度の距離運んだと伝えられています。

これらの目撃情報は、必ずしもサンダーバードの存在を裏付ける証拠とは限りません。一部は誇張された噂話、またはカリフォルニアコンドルなどの大型の鳥類との誤認の可能性も指摘されています。

2002年にはアラスカ州で目撃された巨大な鳥について、「迷ったオオワシ」という説が発表されました。また、アラスカ州で目撃された巨大な怪鳥は、絶滅したとされる地球最大の鳥類アルゲンタヴィスではないかという説も存在します。

サンダーバードの正体

サンダーバードの正体は依然として謎に包まれています。先住民の伝承、様々な目撃情報、そして科学的な考察を総合的に検討することで、この謎の生物の全貌に迫ることが出来るかもしれません。しかしながら、現在のところ、サンダーバードの存在を決定的に証明する証拠は見つかっていません。今後も、新たな情報や研究によって、サンダーバードの謎が解き明かされる可能性があります。

参考文献

* エラ・イ・クラーク著　山下欣一訳「アメリカ・インディアンの神話と伝説」 岩崎美術社

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