サンダーバード (2004年の映画)

『サンダーバード』映画の概要

『サンダーバード』は、2004年に制作されたイギリス、フランス、アメリカ合衆国の共同製作による映画です。この作品は、1965年のアニメーション作品であるSFテレビシリーズ『サンダーバード』の3作目の映画化であり、独自の魅力を持っています。これまでの人形劇やミニチュアの特撮から一新され、実際の俳優による演技と先進的なCG映像が全面的に使用されました。アメリカでは2004年7月24日に、日本では同年8月7日に公開されました。配給はユニバーサル・ピクチャーズが担当し、吹き替え版ではV6がキャストを務めました。

制作の経緯

オリジナルのサンダーバードが放送されてから数十年が経過し、これまでに2本の映画版が製作されましたが、いずれも興行成績が振るわなかったため、新たな挑戦が求められました。権利が数回転売されたのち、1995年にイギリスの映画会社ワーキング・タイトル・フィルムズが映画化権を取得。ティム・ビーヴァンの指導の下、再び実写版制作が始動しました。ただし、オリジナルのプロデューサーであるジェリー・アンダーソンは、プロジェクトに組み込まれませんでした。

最終的には、監督にアメリカのジョナサン・フレイクスを迎え、彼の影響力を利用してアメリカ市場に向けた作品に仕上げました。視覚効果にはイギリスのフレームストアCFCが関与し、優れたCGIを駆使して描写が行われました。音楽は映画『ライオン・キング』のハンス・ジマーが担当するなど、豪華なスタッフが参加しています。

ストーリー概要

物語は2020年を舞台に展開します。元宇宙飛行士であり大富豪のジェフ・トレーシーは、自らの財産を使って国際救助隊を設立しました。彼は、5人の息子たち「トレーシー・ボーイズ」を率い、救助メカ「サンダーバード」を操縦して人命救助活動に従事しています。しかし、末っ子のアランはまだ救助活動に参加させてもらえず、フラストレーションを抱えていました。

そんな矢先、トレーシー家に仕えるキラノの兄、ザ・フッドがトレーシー・アイランドの位置を突き止め、拠点を襲撃します。彼の目的は、国際救助隊への復讐とロンドン銀行襲撃でした。アランは仲間たちと共に、ザ・フッドの陰謀を阻止するための冒険に出ることになります。

登場人物たち

この映画では、オリジナルのキャラクターたちにも含まれる設定の変化があります。

• - アラン・トレーシー: 本作の主人公で14歳。常に救助隊のファンとして振る舞うが、内心は活動に参加したいと願っている。
• - ジェフ・トレーシー: トレーシー家の父親で、救助隊の指揮を執り、私財を投じて救助活動を行う。
• - ザ・フッド: 敵役で、国際救助隊に恨みを抱く人物。超能力を使いこなす一方で、陰謀を巡らせます。

主なキャストには、ブラディ・コルベット（アラン役）、ビル・パクストン（ジェフ役）、ベン・キングズレー（ザ・フッド役）などが名を連ねています。各キャラクターはそれぞれの魅力を持ち、ストーリーに深みを与えています。

メカニックデザイン

飛行機を基にしたサンダーバードシリーズのメカニックデザインも変更され、現代的なスタイリングが施されています。サンダーバード1号から5号まで、オリジナルから改良されたデザインにより、新しい機能性を持つように生まれ変わっています。

結論

『サンダーバード』は、視覚的にもストーリー的にもリブートされた作品であり、オリジナルファンから新しい観客まで楽しむことができる作品として評価されています。興行成績は不振でしたが、多彩なキャストとスタッフによる新たなアプローチが印象深く、近未来の冒険を描くエンターテインメントとしての魅力があります。興行に関しては続編が期待されたものの、実現には至らなかったのが残念です。

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