サンダーバード 劇場版

サンダーバード劇場版（1966年）

『サンダーバード 劇場版』（英: Thunderbirds Are Go）は、1966年にイギリスで制作された特撮人形劇映画で、人気テレビシリーズ『サンダーバード』の映画化作品です。本作は、国際救助隊の冒険を描いた内容であり、当時の特撮映画の中でも特に注目された作品となりました。

製作の背景

テレビシリーズがイギリス国内で大ヒットしたことから、製作者のジェリー・アンダーソンは劇場用映画の制作を決断しました。映画は1966年3月から製作が開始され、多くの制作現場からの注目を集めることとなります。元々はアラン・パティロが監督として考えられていましたが、彼が人形劇の演出に飽きていたため、デヴィッド・レインが監督に選ばれました。映画版では画面がワイドスクリーンとなり、よりダイナミックな映像表現が追求されることになりました。

特撮に関しては、テレビ版でも実績のあるデレク・メディングスが担当し、実在の人物を元にしたキャラクター人形が導入されるなど、映像表現への技術向上が図られました。特に、ミュージシャンであるクリフ・リチャードの参加が決まり、映画には彼と彼のバンド、シャドウズが登場します。

興行の結果

映画は1966年12月12日にロンドン・パビリオン劇場でプレミア上映されました。ジェリー・アンダーソンの妻であるシルヴィアが注目を浴びたこともあり、舞台は盛況でした。しかし、その後の興行成績は期待とは裏腹に芳しくなく、公開後におけるプロモーション活動によって関係者には暗雲が立ち込めました。興行成績が振るわず、夫妻の関係も悪化を招く様相を呈しましたが、最終的には妊娠が判明し、二人の関係は続くことになりました。映画の興行は苦戦しつつも、ファンの間で根強い人気を持ち続けました。

あらすじ

物語は、初の有人火星探査ロケット「ZERO‐X号」の打ち上げから始まります。初回の打ち上げはザ・フッドによる妨害に遭遇し、失敗に終わりますが、2年後の再挑戦では国際救助隊が護衛を行い、無事に火星へ到達します。火星での探査中、奇妙な生物と遭遇し、その後の帰還が思わぬ困難を伴うことになります。

映画のカットシーン

この作品は90分に収めるため、いくつかのシーンが削除されています。例えば、国際救助隊がゼロX号の護衛を要請する場面や、主要人物がアメリカへ向かうシーンなどがカットされました。

登場キャラクター

映画には国際救助隊のスコットやバージル、アランたちのトレーシー兄弟が登場し、彼らの冒険が描かれます。また、敵キャラクターとして登場するザ・フッドも映画の重要な要素の一つです。

結論

『サンダーバード 劇場版』は、特撮映画史において一つのマイルストーンを成し遂げた作品です。映像技術やストーリーテリングの手法が洗練され、観客に感動を与えました。生涯ファンを魅了し続ける『サンダーバード』の物語は、今もなお多くの人々に愛されています。

もう一度検索