サンチョ1世 (ナバラ王)

サンチョ・ガルセス1世：ナバラ王国の礎を築いた王

サンチョ・ガルセス1世（860年頃 - 925年）は、ヒメノ朝の初代ナバラ王として知られています。彼は、パンプローナ副王ガルシア・ヒメネスの子として生まれ、905年から925年までナバラ王国を統治しました。その治世は、王国を巡る様々な勢力との複雑な関係の中で、領土の拡大と安定化に尽力した時代でした。

生涯

サンチョ・ガルセス1世は、ガルシア・ヒメネスとダディルディス・デ・パリャースの息子として誕生しました。彼が王国の西部に勢力を持っていた頃、アストゥリアス王アルフォンソ3世やパリャース伯と同盟を結び、パンプローナの支配権を狙いました。当時のパンプローナ王フォルトゥン・ガルセスを退け、貴族たちの支持を得て905年にナバラ王として即位しました。

治世

サンチョ1世の治世は、イスラム教徒との戦いと、近隣諸国との外交に特徴付けられます。彼は、南方のイスラム教徒の領主間の争いに積極的に関与し、軍事的な成功を収めました。907年には、かつての同盟者ルブ・イブン・ムハンマドを討ち、その勢力を弱体化させました。また、アラゴン伯ガリンド2世・アスナーレスを破り、臣従させることで、アラゴン伯領をナバラ王国に組み込みました。

918年には、レオン王オルドーニョ2世と同盟を結び、バヌ・カシ家からカラオラ、アルネド、ビゲラなどの地を奪いました。920年には、リバゴルザ伯ベルナルド1世やアムルス・イブン・ムハンマドと協力してモンソンを攻撃し、バハ・ナバラを自領に併合しました。これらの戦いの勝利を記念して、924年にサン・マルティン・デ・アルベルダ修道院を創建しました。

死とその後

サンチョ1世は925年12月10日に死去し、ビジャマヨール・デ・モンハルディンに埋葬されました。彼の息子ガルシアはまだ幼かったため、弟のヒメノ・ガルセスが王位を継承しました。サンチョ1世は、アバルカという別名で呼ばれた最初の王であるとされています。彼の王朝は、イベリア半島のいくつかの王国を支配し、13世紀まで続くことになります。

結婚と子女

サンチョ1世は、トダ・アスナーレスと結婚し、1男5女をもうけました。娘たちは、レオン王や近隣の伯と結婚し、王国の外交関係に貢献しました。

ウラカ：レオン王ラミロ2世と結婚
オネカ：レオン王アルフォンソ4世と結婚
サンチャ：レオン王オルドーニョ2世と結婚、アラバ伯アルバロ・エラメリスと再婚、カスティーリャ伯フェルナン・ゴンサレスと再々婚
ベラスキタ：アラバ伯ムニオ・ベラスと結婚、ガリンド・デ・リバゴルサと再婚、フォルトゥン・ガリンデスと再々婚
オルビタ：生涯について不明
ガルシア・サンチェス1世：パンプローナ王

また、庶子としてルパ・サンチェスがおり、ビゴール伯ダト2世と結婚しました。

サンチョ・ガルセス1世は、ナバラ王国の基礎を築き、その後の発展に大きく貢献した王として、歴史に名を残しています。

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