サントリーオールド

サントリーオールド：日本のウイスキー史を彩る名品

サントリーオールドは、サントリー株式会社が製造・販売する、純国産ブレンデッドウイスキーです。日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズウイスキーの基準を満たしており、ダルマやタヌキなど、愛称で親しまれる独特のボトル形状も特徴です。

歴史：国産ウイスキー黎明期からの歩み

サントリー創業者、鳥井信治郎は1923年、山崎にて国産ウイスキー事業を開始しました。初期は苦戦が続きましたが、鳥井信治郎と息子の鳥井吉太郎の努力により、サントリー角瓶の成功を経て、1940年、山崎蒸留所でサントリーオールドが誕生しました。しかし、戦時下のため販売は延期され、終戦後、1950年にようやく発売されました。

戦後の成功とブランド確立

発売当初は高価なウイスキーでしたが、輸入ウイスキーの代替として徐々に人気を獲得。バーやクラブで愛飲され、高度経済成長期にはサントリーの売上を支える主力商品となりました。特に1970年代には、料亭や寿司店などへの積極的な営業活動により、和食との組み合わせが提案され、その人気は不動のものとなりました。

原酒構成と市場での揺籃

サントリーオールドの原酒構成については、モルト原酒とグレーンウイスキーの比率や、グレーンウイスキーの定義に関して、様々な議論がありました。1981年当時の資料によれば、モルト原酒、グレーンウイスキー、水、甘味果実酒、リキュール、カラメルで構成されていたとされていますが、グレーンウイスキーの定義については解釈が分かれるところです。

オールドショックと進化

1980年代に入ると、ウイスキー市場は変化を始めました。酎ハイ人気やワインなど他の洋酒の台頭、酒税法改正による外国産ウイスキーとの競争激化などにより、サントリーオールドの売上も減少しました（オールドショック）。これを受け、サントリーは新たなウイスキー開発や外国産ウイスキーの輸入など、様々な対応策を実施。サントリーオールドも、1994年には「マイルド＆スムーズ」、2006年には「THEサントリーオールド」、2007年には「プレミアム43°」など、時代に合わせて改良を重ねてきました。現在では、手頃な価格で楽しむことができます。

ブランドイメージとCM

ボトルの「寿」の文字は、サントリーの前身「寿屋」に由来します。ブランド名は、スコッチウイスキー「オールドパー」に由来するとも言われています。また、長年に渡り、多くの著名な俳優や歌手がCMに出演し、サントリーオールドのブランドイメージを構築してきました。武田鉄矢、役所広司、大原麗子など、数々の名俳優がCMを彩りました。「夜がくる」というCMソングも広く親しまれました。

結論

サントリーオールドは、日本のウイスキーの歴史と深く関わってきた、国民的なウイスキーです。戦後復興期から高度経済成長期、そして現代まで、時代に合わせて変化を遂げながら、その地位を確立し続けています。これからも、多くの人々に愛されるウイスキーであり続けるでしょう。

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