サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ

サントリーホール国際作曲委嘱シリーズの概要

サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ（Suntory Hall International Program for Music Composition）は、サントリー芸術財団が1986年に創設した、現代音楽の重要なイベントです。このシリーズでは、世界中で活躍する優れた作曲家に対し、管弦楽の新作を委嘱し、サントリーホールにてその作品の初演を行っています。これにより、音楽の多様性と創造性を促進し、聴衆に新たな音楽体験を提供しています。

当初は武満徹氏が監修を担っており、1999年からは湯浅譲二氏が、2013年以降は細川俊夫氏がその役割を引き継いでいます。このように、各時代におけるトップクラスの作曲家たちが関与することで、シリーズの質と影響力が維持されてきました。

初演コンサートの経緯

シリーズのスタートは、1986年のサントリーホールの開館にさかのぼります。この年の10月から翌年の2月まで、オープニング・シリーズとして実施され、総勢5人の作曲家による5作品が初演されました。

以降、1987年から1991年にかけて、毎年秋には何名かの作曲家に作品を委嘱し、初演を行いました。計9名の作曲家が参加し、その中にはヴォルフガング・リーム氏など著名な作曲家も含まれます。1992年になると、新たな試みとして、ホセ・マセダ氏が提案した小ホール（ブルーローズ）での作曲家との対話イベントが始まりました。これにより、聴衆は作曲家が作品について直接話す機会を得ることができ、より深い理解を促進しています。

2004年からは、「サントリー音楽財団サマーフェスティバル」の一部としてこのシリーズが組み込まれ、これにより大ホールでの管弦楽初演、小ホールでの作曲家トーク、さらには室内楽コンサートなど多様なプログラムが展開されるようになりました。

委嘱作品と作曲家一覧

これまでに多くの著名な作曲家による多様なスタイルの作品が委嘱されています。以下は代表的な作品のいくつかです：

• - 武満徹『ジェモー (双子座) Ob、Trb、2つのオーケストラ、2人の指揮者のための』1986年10月15日
• - ヤニス・クセナキス『ホロス』1986年10月24日
• - ジョン・ケージ『エトセトラ 2』1986年12月8日
• - ヴォルフガング・リーム『無題 II』1987年10月31日
• - ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ『3つの宗教的コンチェルト』1992年11月26日
• - 細川俊夫『トランペット協奏曲「霧のなかで」』2013年9月5日
• - カイヤ・サーリアホ『トランス (変わりゆく)』2016年8月30日

このように、サントリーホール国際作曲委嘱シリーズは、 contemporary musicの重要なプラットフォームとして、音楽の進化を促進し続けています。これまでの作品は、サントリーホールという国際的な舞台で発表され、多くの人々に新たな感動を与えてきました。未来もまた、多くの才能による革新的な作品が生み出されることが期待されています。

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