サンドロ・シェーラー

サンドロ・シェーラー（Sandro Schärer）は、1988年6月6日生まれ、スイス・シュヴィーツ州出身のサッカー審判員です。2015年より国際サッカー連盟 (FIFA) に国際審判員として登録され、ヨーロッパの主要な舞台で活躍しています。

生い立ちとキャリアの始まり

高校卒業後、シェーラーはバーゼル大学でスポーツ科学と地理を学びました。当初は、様々な高校で代用教員として教鞭を執ったり、スキーのインストラクターとして活動したりしていました。その後、審判としての才能を開花させ、現在に至ります。

2016年以降は、審判業務に加え、スイスサッカー協会 (SFV) が運営する審判の人材育成プログラム「レフェリーアカデミー」の責任者も務め、後進の育成にも力を注いでいます。

審判としての道のり

2005年に審判員としての研修を受けた後、シェーラーは急速にその才能を発揮し、2011年には24歳という若さでチャレンジリーグ（スイス2部）の審判を務めるようになりました。2013年には、FCローザンヌ・スポルト対FCトゥーン戦で主審を務め、スーパーリーグデビューを果たしました。2020年には、スイス・カップ決勝・FCバーゼル対BSCヤングボーイズの重要な試合を担当しました。

国際舞台でのデビューは、UEFA U-17欧州選手権2015の予選でした。同年7月9日には、UEFAヨーロッパリーグ 2015-16の予選1回戦・エルフスボリ対ラハティの2ndレグを担当しました。2017年5月には、イタリアとサンマリノの国際親善試合で初めて国際Aマッチの審判を務めました。以降、UEFAヨーロッパリーグのグループステージやUEFAチャンピオンズリーグの予選では定期的に主審を担当し、経験を積んでいます。2020年10月には、バルセロナ対フェレンツヴァロシュの試合で初めてUEFAチャンピオンズリーググループステージの主審を担当し、2011年のマッシモ・ブサッカ以来となるスイス人主審として注目を集めました。

2021年には、ハンガリーとスロベニアで共催されたUEFA U-21欧州選手権2021の審判員15名の一人に選出され、準決勝のドイツ対オランダを含む3試合を担当しました。同年開催されたUEFA EURO 2020では、第4審や審判団の交代要員となる「サポートマッチオフィシャル」に選ばれ、5試合で第4審を務めました。

2021/22シーズン後半には、欧州サッカー連盟 (UEFA) における審判の最上位カテゴリーであるUEFAエリートに昇格しました。2023年には2023 FIFA U-20ワールドカップ審判団への招聘が内定していましたが、ふくらはぎの負傷により参加を断念せざるを得なくなりました。この怪我の後遺症の影響は長引き、2023/24シーズンの大半を棒に振ることになりました。

その後、2024年にドイツで開催されたUEFA EURO 2024の審判団に副審のステファン・デ・アルメイダ及びべキム・ゾガイとのチームで選ばれ国際舞台への復帰を果たし、2010 FIFAワールドカップの審判団に選ばれたマッシモ・ブサッカ以来14年ぶりとなる主要大会でのスイス人主審となりました。EURO2024ではグループステージ2試合を担当しましたが、2試合目のグループF・ポルトガル対ジョージアの試合では、副審のデ・アルメイダがポルトガルにルーツを持つとの理由からドイツ人のステファン・ルップ（フェリックス・ツヴァイヤーと審判チームを組んでいた）に差し替えられました。

シェーラーは2024/25シーズンの開幕を告げる2024 UEFAスーパーカップ・レアル・マドリード対アタランタBC（ワルシャワ国立競技場）の主審を務め、初めて国際大会の決勝戦の笛を吹きました。

サンドロ・シェーラーは、その正確な判断と冷静な試合運びで、国際サッカー界において高く評価されている審判員の一人です。

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