サンパウロ美術館

サンパウロ美術館（Museu de Arte de São Paulo）、通称MASPは、ブラジル・サンパウロに位置する、南半球を代表する美術館です。その正式名称は「Museu de Arte de São Paulo Assis Chateaubriand（サンパウロ・アシス・シャトーブリアン美術館）」であり、ブラジルの実業家アシス・シャトーブリアンが設立しました。

「奇跡の美術館」と称される理由
MASPのコレクションは、その質の高さと網羅性において、アメリカやヨーロッパ以外の美術館では類を見ないものです。中世から現代までの西洋美術を幅広くカバーしており、各時代の重要な作品を多数所蔵しています。特に、ルネサンス、バロック、ロココ、印象派、現代美術といった、各時代、各地域の美術史を辿ることができる作品群は圧巻です。そのコレクション形成は、第二次世界大戦前後の混乱期に、ヨーロッパのコレクターが手放した美術品を、アシス・シャトーブリアンが短期間に集中的に買い集めたことによって実現しました。

美術館の建築
現在の美術館の建物は、1969年に完成しました。特徴的なのは、4本の柱で支えられた高床式建築であることです。展示室は柱や仕切り壁のない広大な空間となっており、作品は壁に掛けるのではなく、強化ガラスに入れて展示されています。この斬新な展示方法は、鑑賞者が作品をより間近に感じられるようにという意図が込められています。

アクセス
美術館はサンパウロの主要な通りであるパウリスタ通りに位置しており、アクセスも非常に便利です。サンパウロ地下鉄の「Trianon-MASP」（トリアノン・マスピ）駅が最寄りの駅となっています。

主な収蔵品
MASPのコレクションの中でも特に有名な作品をいくつか紹介します。
ティントレット『この人を見よ』（1540年代）
エル・グレコ『受胎告知』（1610－1615年頃）
ピエール＝オーギュスト・ルノワール『浴女とグリフォンテリア』（1870年）
アメデオ・モディリアーニ『ズボロフスキーの肖像』（1919年）

これらの作品は、MASPのコレクションのほんの一部に過ぎません。美術館には、これらの他にも数多くの名品が所蔵されています。

まとめ
サンパウロ美術館は、その質の高いコレクションと、特徴的な建築様式により、世界的に有名な美術館の一つです。西洋美術に興味のある方にとって、この美術館は絶対に訪れるべき場所と言えるでしょう。訪れる際には、事前に公式サイトで詳細な情報を確認することをお勧めします。

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