サン＝ロー

サン＝ロー（Saint-Lô）は、フランス北西部のノルマンディー地方に位置し、マンシュ県の県庁所在地です。古くはブリオウェレ（Briovère）と呼ばれ、ガリア語で「ヴィル川（Vire）にかかる橋」を意味します。

歴史

サン＝ローの起源はガリア時代の要塞化された植民地に遡ります。8世紀には、この地に住んだロー・ド・クタンス司教（525年〜565年）にちなんで「Saint-Lô」として知られるようになりました。890年にはヴァイキングに占拠されるなど、波乱の歴史を歩んできました。

その後、ジョフロワ・ド・モンブレー司教のもとで繁栄し、橋や製粉所が建設されました。中世の時代には、重要な交易拠点として発展しました。

しかし、サン＝ローは第二次世界大戦中に壊滅的な被害を受けました。1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦後、連合軍による激しい空爆に晒され、街はほぼ完全に破壊されました。その惨状から「廃墟の都」（Capitale des Ruines）という異名を持ちます。

1944年6月15日には、サン＝ロー北東のドイツ軍陣地を攻撃目標として連合軍の空挺部隊が降下し、激戦が繰り広げられました。最終的にアメリカ軍が街を解放し、サン＝ローは自由を取り戻しました。戦後、街は復興を遂げ、再び人々の生活が息づく場所となりました。

現在、サン＝ロー記念病院には、この戦いを題材にしたフェルナン・レジェのフレスコ画が飾られています。また、アメリカ海軍の護衛空母「セント・ロー」は、この戦勝を記念して命名されました。トマス・ピンチョンの小説『重力の虹』には、サン＝ローの廃墟に埋もれた酒蔵からシャンパンを探し出すアメリカ兵が登場する場面があります。

姉妹都市

サン＝ローは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

サン＝ギラン（ベルギー）
アーレン（ドイツ）
クライストチャーチ（イギリス）
ロリアン（フランス）
ロアノーク（アメリカ合衆国）

出身者

サン＝ローは、以下の著名な人物を輩出しています。

オクターヴ・フイエ（作家）
ユルバン・ルヴェリエ（天文学者）

外部リンク

サンロー市役所

サン＝ローは、過去の苦難を乗り越え、復興を遂げた街です。その歴史と文化に触れるために、ぜひ訪れてみてください。

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