サヴェイジ・アミューズメント

ドイツを代表するハードロックバンド、スコーピオンズが1988年にリリースしたスタジオアルバムが『サヴェイジ・アミューズメント』（Savage Amusement）です。バンドにとって通算10作目にあたるこの作品は、1970年代半ばから彼らのサウンドを共に作り上げてきたプロデューサー、ディーター・ダークスとの最後の共同作業となった記念碑的なアルバムとして位置づけられています。

本作は、スコーピオンズらしい力強くメロディックなハードロックサウンドを基調としながらも、発表当時の音楽シーンの潮流も反映された側面を持っています。バンドの円熟期における演奏力と楽曲構成力が遺憾なく発揮された一枚と言えるでしょう。オリジナル収録曲は全9曲で構成されています。

オリジナル収録曲

アルバムの核を成すこれらの楽曲は、バンドの主要メンバーによって作詞・作曲されています。作曲の大部分はギタリストのルドルフ・シェンカーが手がけていますが、「Passion Rules the Game」ではドラマーのハーマン・ラレベルが作曲に貢献しています。作詞は、ヴォーカリストのクラウス・マイネが中心となり、ハーマン・ラレベルも一部の楽曲で作詞に関わっています。


2015年デラックスエディション ボーナストラック

2015年にリリースされたデラックスエディションには、アルバム制作時期の貴重な未発表音源やデモトラックがボーナスとして追加収録されています。これらの楽曲からは、当時のバンドのクリエイティブなプロセスや、本編に採用されなかったものの興味深い音楽的アイデアを垣間見ることができます。

  • - Taste of Love (デモ) (4:35) - 作詞: ハーマン・ラレベル
  • - Edge of Time (デモ) (3:40) - 作詞: クラウス・マイネ
  • - Fast and Furious (デモ) (3:08) - 作曲: マティアス・ヤプス
  • - Dancing in the Moonlight (デモ) (3:07) - 作詞: クラウス・マイネ / 作曲: マティアス・ヤプス
  • - Living for Tomorrow (デモ) (3:37) - 作詞: クラウス・マイネ
  • - I Can't Explain (3:20) - 作詞・作曲: ピート・タウンゼント (ザ・フーのカバー)

参加ミュージシャン

本作の録音には、スコーピオンズの当時のラインナップが集結しました。各メンバーはそれぞれのパートでバンドサウンドを支えています。また、数名のゲストミュージシャンがアルバムに彩りを加えています。

スコーピオンズ


ゲストミュージシャン

  • - リー・アーロン - バッキング・ボーカル (Tr.2)
  • - ピーター・バルテス - イントロ・ボーカル (Tr.7)

『サヴェイジ・アミューズメント』は、スコーピオンズのキャリアにおける特定の時代を締めくくる重要な作品です。長年のパートナーシップに終止符を打ち、新たな章へと向かうバンドの姿が刻み込まれています。ハードロックファン、そしてスコーピオンズのリスナーにとって、彼らの歴史を語る上で欠かせないアルバムの一つと言えるでしょう。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。