サヴォイア・マルケッティ SM.84

サヴォイア・マルケッティ SM.84

サヴォイア・マルケッティ SM.84は、イタリア空軍が使用した爆撃機で、3基のエンジンを搭載しています。この機体は、既存のSM.79の後継として開発されましたが、最終的には独自の設計となり、新たにSM.84という型番が与えられました。

開発の経緯と設計

SM.84は、もともと雷撃機型としての利用を目的に開発が始まりましたが、機体としての特性が変わったため、異なるナンバーが付与されました。SM.79と比較すると、SM.84は設計が若干洗練されており、構造はほぼ同じですが、胴体上部の凸部分が排除され、代わりに動力式の銃座が設けられました。また、爆撃手用のゴンドラは引き込み式で、使用時にのみ引き出す設計となっています。尾翼は双尾翼式を採用しています。

搭載されるエンジンには、ピアッジョ P10 RC40（1000 hp）を使用しており、試作機は1940年6月に初飛行を果たしました。その後、同年11月から量産が開始されました。

性能と評価

SM.84は、空力的にはSM.79よりも進んでいますが、速度に関しては後期型のSM.79がSM.84を上回る性能を持っていました。さらに、運動性能もSM.79より劣ることが課題となっており、エンジンの出力不足や信頼性の問題も相まって、乗員からの評判は芳しくありませんでした。

1941年2月から部隊配備が始まり、最初の任務では雷撃を行いましたが、1942年10月以降は主に爆撃機としての役割を担うようになりました。量産は1943年6月まで続き、総生産数は309機に及びました。その中の数機は輸送任務にも使用され、1948年まで運用されていました。

スペック

• - 全長: 17.93 m
• - 全幅: 21.20 m
• - 全高: 4.59 m
• - 全備重量: 13,288 kg
• - エンジン: ピアッジョ P10 RC40 空冷14気筒 1000 hp
• - 最大速度: 432 km/h
• - 実用上限高度: 7,900 m
• - 航続距離: 1,830 km

武装

• - 爆弾: 1,600kg
• - 魚雷: 2
• - スコッティ・イソッタ・フラスキーニ 12.7mm機銃 × 4
• - 乗員: 5名

このように、サヴォイア・マルケッティ SM.84はその仕様や運用状態において、興味深い歴史を持つ航空機となっています。

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