『サーカス』(Circus)は、
1995年に発表された
レニー・クラヴィッツの4作目のスタジオ・
アルバムです。
制作背景
本作は、
レニー・クラヴィッツ自身が「ストレートな
ギター・
アルバムを作る」という明確な意図を持って制作されました。その意図を反映し、オーバー・ダビングを極力抑え、ホーン・セクションを一切使用しないという、シンプルな音作りが追求されています。これにより、
ギターサウンドが前面に押し出され、よりダイレクトで生々しいロックンロール・
アルバムとして完成しました。
特筆すべきは、「ロックンロール・イズ・デッド」「トンネル・ヴィジョン」「ブリット」の3曲において、レニー自身がすべての楽器を演奏している点です。彼のマルチ・プレイヤーとしての才能が遺憾なく発揮されており、楽曲に独特の一体感と個性を与えています。
商業的成功
『サーカス』は、日本とアメリカの両国で大きな成功を収めました。日本の
オリコンチャートでは見事1位を獲得し、本国アメリカでは
Billboard 200で初のトップ10入りを果たしました。これは、
レニー・クラヴィッツにとってキャリアにおける重要なマイルストーンとなりました。
アルバムからの先行シングル「ロックンロール・イズ・デッド」も、全米75位、全英22位と、まずまずのヒットを記録しました。この曲は、当時の音楽シーンに対するレニーのメッセージが込められた、挑発的なタイトルとサウンドが特徴です。
収録曲
1. ロックンロール・イズ・デッド / Rock and Roll Is Dead
2. サーカス / Circus
3. 7番目の空の向こうに / Beyond the 7th Sky
4. トンネル・ヴィジョン / Tunnel Vision
5. 遥かな面影 / Can't Get You Off My Mind
6. マグダリーン / Magdalene
7. ゴッド・イズ・ラヴ / God Is Love
8. シン・アイス / Thin Ice
9. ブリット / Don't Go and Put a Bullet in Your Head
10. イン・マイ・ライフ・トゥデイ / In My Life Today
11. 復活の日 / The Resurrection
12. アナザー・ライフ / Another Life (日本初回盤ボーナス・トラック)
参加ミュージシャン
レニー・クラヴィッツ - ボーカル、
ギター、ベース、ドラムス、モーグ・シンセサイザー、
ハモンドオルガン
クレイグ・ロス -
ギター、
マンドリン
トニー・ブレイト - ベース(on 2.)
ヘンリー・ハーシュ - ベース(on 3.)、
[メロトロン]、
[エレクトリックピアノ]
『サーカス』は、
レニー・クラヴィッツの音楽的探求心と才能が結実した、ロックンロールの魅力を再確認できる作品です。彼のキャリアの中でも重要な位置を占める、聴きごたえのある
アルバムと言えるでしょう。