サーストン・ムーア

サーストン・ムーア（Thurston Moore、1958年7月25日生まれ）は、アメリカ合衆国出身のミュージシャンで、特にオルタナティブロックバンド「ソニック・ユース」のギタリスト兼ボーカリストとして広く認知されています。彼は、単なる演奏家としてだけでなく、レコードレーベル「Ecstatic Peace!」の設立者としても、インディペンデントな音楽シーンに深く関わってきました。

音楽的な評価も高く、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」では、2003年に34位、2011年の改訂版では99位に選出されています。このランキングは、彼の演奏技術と音楽への貢献度を明確に示しています。

1970年代後半、ムーアはソニック・ユースを結成し、バンドは瞬く間にアンダーグラウンドシーンの重要バンドとなりました。彼らの音楽は、ノイズや実験的な要素を取り入れた独特のもので、後の多くのミュージシャンに影響を与えました。ソニック・ユースは、オルタナティブロックの隆盛を象徴する存在として、音楽史にその名を刻みました。

ソニック・ユースの活動が一時的に停止した2011年、ムーアは新たな音楽活動をスタートさせます。2012年には、新バンド「チェルシー・ライト・ムービング」を結成しますが、このバンドは2015年に解散しました。しかし、彼は音楽活動を止めることなく、ソロアーティストとして、また様々なプロジェクトに参加し、常に新しい音楽の可能性を追求しています。

ディスコグラフィー

ムーアは、ソロアーティストとしても多くの作品を発表しています。以下は彼の主なソロアルバムです。

Psychic Hearts (1995)
Trees Outside the Academy (2007)
Demolished Thought (2011)
The Best Day (2014)
Spirit Counsel (2019)
By the Fire (2020)
Screen Time (2021)
Flow Critical Lucidity (2024)

これらのアルバムは、彼の音楽的な幅広さと、常に新しい音を求める姿勢を反映しています。

著書

ムーアは音楽活動だけでなく、執筆活動も積極的に行っています。以下は彼の主な著書です。

Alabama Wildman (2000)
Mix Tape: The Art of Cassette Culture (2005)
Grunge (with Michael Lavine, 2009)
Punk House: Interiors in Anarchy (with Abby Banks, Timothy Findlen, 2007)
No Wave: Post-Punk. Underground. New York. 1976–1980. (with Byron Coley, 2008)
James Hamilton: You Should Have Heard Just What I Seen (with James Hamilton, 2010)
Lion: Only Noise (And Poems) (2011)
Sonic Life: a Memoir (2023)

これらの著書は、彼の音楽的なルーツや、サブカルチャーへの深い関心を物語っています。特に回顧録「Sonic Life: a Memoir」は、彼の音楽人生を深く掘り下げた内容として注目を集めています。

サーストン・ムーアは、音楽シーンにおいて常に革新的な存在であり続け、その多岐にわたる活動は、多くの人々に影響を与え続けています。

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