サーフ ブンガク カマクラ (完全版)

ASIAN KUNG-FU GENERATION 『サーフ ブンガク カマクラ (完全版)』

ASIAN KUNG-FU GENERATION (アジカン) が2023年7月5日にリリースした11thフルアルバム『サーフ ブンガク カマクラ (完全版)』は、2008年発表のアルバム『サーフ ブンガク カマクラ』の続編となる作品です。

概要

前作から15年の時を経てリリースされた本作は、江ノ島電鉄の全15駅をモチーフにした楽曲で構成されています。前作では10駅が収録されていましたが、今作では残りの5駅を新たに書き下ろし、さらに前作の10曲も再録。これにより、江ノ電の全駅を網羅した”完全版”としてリリースされました。

曲順も実際の江ノ島電鉄の駅順（藤沢駅〜鎌倉駅）に沿って並べられています。前作では、駅名の問題や作曲のイメージが難しい駅がありましたが、今作では旧駅名を採用するなど工夫を凝らしています。

制作面では、前作が一発録りだったのに対し、今作はスタジオでサウンドをじっくり作り込んでいます。後藤正文は「デモと本番のような関係性になるかもしれない」と語っています。

アルバムに先駆け、EP『サーフ ブンガク カマクラ (半カートン)』が先行配信され、新曲5曲に加え、アジカンと親交のあるCARAMELMANのカバー「湘南エレクトロ」が収録されました。

初回生産限定盤には、メンバーによる「サーフ ブンガク カマクラお散歩MAP」や、後藤正文による楽曲解説が同梱されています。

収録曲について

今作は全曲、作詞・作曲を後藤正文、編曲をASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当しています。

以下、収録曲の中からいくつかの楽曲について解説します。

2.「石上ヒルズ」: 後藤曰く、「ビバリーヒルズ」をもじったダジャレから生まれた楽曲。
3.「柳小路パラレルユニバース」: シングル『出町柳パラレルユニバース』のC/Wとして先行リリース。
5.「西方コーストストーリー」: ティーンエイジ・ファンクラブをイメージしたサウンドで、「チャコじゃない海岸物語」を表現。ミュージックビデオも制作され、見津賢と祷キララが出演しています。歌詞にはサザンオールスターズの『チャコの海岸物語』へのオマージュが込められています。
6.「江ノ島エスカー」: 今作のリードトラック。ミュージックビデオは「西方コーストストーリー」の続編として制作されました。
8.「日坂ダウンヒル」: シングル『宿縁』のC/W。山田貴洋曰く、今作のサウンドの基準となった楽曲。
9.「七里ヶ浜スカイウォーク」: 再録された楽曲の中で唯一、歌詞が変更されています。
10.「稲村ヶ崎ジェーン」: 原曲と異なり、一部喜多建介のソロパートが追加されています。
14.「和田塚ワンダーズ」: メンバー曰く「色々経てきたからこそ作れた、今っぽい曲」。

演奏

後藤正文：Vocals, Guitar
喜多建介：Guitar, Vocals
山田貴洋：Bass, Vocals
伊地知潔：Drums

『サーフ ブンガク カマクラ (完全版)』は、アジカンの音楽的な探求心と、江ノ電沿線の風景への愛情が詰まった作品と言えるでしょう。

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