サーブリッグ

サーブリッグ（Therblig）とは

サーブリッグとは、フランク・ギルブレスとリリアン・ギルブレス夫妻によって考案された、手作業における最小単位の動作要素のことです。1915年にフランク・ギルブレスが16種類の動作として発表したものが、後に18種類に再定義されました。

この名称は、考案者であるギルブレス（Gilbreth）の綴りを逆から読んだことに由来します（ただし、語尾の「th」は一体として扱います）。日本語では「サーブリッグ」と濁音で表記されることが多いですが、「サーブリック」と清音で表記されることもあります。

サーブリッグは、作業動作を分析し、無駄を省いて効率的な作業方法を確立するための基礎となる概念であり、生産工学や人間工学などの分野で広く活用されています。

サーブリッグの18の基本要素

ギルブレスは、建設現場でのレンガ積み作業などの動作研究を通じて、18種類の基本動作要素を定義しました。これらの動作要素は、以下の3つのカテゴリーに分類されます。

第1類：上肢で行う作業要素（8種類）

主に上肢（腕や手）を使って行う、作業に直接必要な動作要素です。

1. 延ばす：手を伸ばして対象物に触れる動作。
2. つかむ：対象物を把持する動作。
3. 運ぶ：対象物をある場所から別の場所へ移動させる動作。
4. 放す：把持していた対象物を手放す動作。
5. 位置を決める：対象物を所定の位置に正確に配置する動作。
6. 使用する：対象物を特定の目的のために使う動作。
7. 組み立てる：複数の部品を組み合わせて一つの製品を作る動作。
8. 分解する：組み立てられた製品を分解する動作。

第2類：感覚器官・頭脳で行う作業要素（5種類）

主に感覚器官（目や耳など）や頭脳を使って行う、作業を遅らせる要因となる動作要素です。

1. 探す：必要な対象物を探す動作。
2. 選ぶ：複数の対象物の中から必要なものを選ぶ動作。
3. 調べる：対象物の状態や特性を詳しく確認する動作。
4. 考える：作業手順や方法を検討する動作。
5. 用意する：作業に必要な道具や材料を準備する動作。

第3類：作業に不必要な動作要素（5種類）

作業において、可能な限り排除すべき無駄な動作要素です。

1. 見出す：探す動作と同様だが、ほとんど使用されない。
2. つかみ続ける：対象物を必要以上に持ち続けている状態。
3. 避け得ぬ遅れ：作業上、やむを得ず発生する遅延。
4. 避け得る遅れ：作業者の不注意や手順の誤りによって発生する遅延。
5. 休む：作業を中断して休憩する動作。


「見出す」は第2類の「探す」とほぼ同義であり、実際にはあまり用いられないため、基本要素は17種類と捉えることもできます。

サーブリッグの活用

サーブリッグは、作業動作を詳細に分析するためのツールとして、様々な場面で活用されています。例えば、以下のような場面で役立ちます。

作業改善：サーブリッグを用いて作業を分解することで、無駄な動作や非効率な手順を特定し、改善策を講じることができます。
作業時間短縮：作業時間の短縮につながる、より効率的な動作方法を考案するのに役立ちます。
作業の標準化：作業の手順を明確化し、作業者によるバラつきをなくすための基準作りにも活用できます。
トレーニング：作業を教える際の教材としても有効で、より効率的な動作を習得するのに役立ちます。

まとめ

サーブリッグは、作業動作を分析し効率化するための重要な概念であり、生産現場だけでなく、日常生活における動作改善にも役立ちます。作業を細かく分解して分析することで、より快適で効率的な生活を送るためのヒントが得られるでしょう。

関連項目

生産工学
生産工学部
* 安全工学

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