サーモキング

サーモキング：冷凍・冷蔵技術のリーディングカンパニー

サーモキングは、車載およびコンテナ用の冷凍・冷蔵装置で世界をリードするメーカーです。アメリカ合衆国で創業後、幾度かの買収を経て、現在ではトレイン・テクノロジーズ傘下でグローバルに事業を展開しています。その歴史と技術革新、そして日本における活動について、詳しく見ていきましょう。

創業からグローバル企業へ

1938年、ジョセフ・ヌメロとフレデリック・ジョーンズによって設立されたサーモキングは、冷蔵トラック用装置の特許取得を皮切りに、その歴史をスタートさせました。第二次世界大戦中には、アメリカ軍への小型冷蔵装置の供給を通して、食糧輸送や野戦病院の空調などに貢献しました。

その後、事業は多角化し、ゴルフカートやショッピングカートといった製品も製造していましたが、コア事業である冷凍・冷蔵装置の技術開発に注力し続けました。1958年にはディーゼルエンジン駆動の冷蔵装置を開発し、耐久性を大幅に向上。1960年代には自動車用エアコンの開発にも成功しました。

1970年代以降は積極的にグローバル展開を進め、アイルランドへの工場新設、欧州、中東、アフリカ、オーストラリア、アジアへの進出を果たしました。スペインへの合弁企業設立なども行い、グローバルなネットワークを構築していきました。

1991年には、創業者であるジョセフ・ヌメロとフレデリック・ジョーンズがブッシュ大統領よりテクニカル・アワード・メダルを受賞。特にジョーンズはアフリカ系アメリカ人初の受賞者として歴史に名を刻みました。1997年にはインガソール・ランド社の傘下に入り、さらなる発展を遂げました。2003年には、摂氏マイナス35度まで冷却可能な高性能冷凍装置「マグナム」を開発するなど、技術革新も継続しています。2020年には、インガソール・ランド社の合併に伴い、トレイン・テクノロジーズの子会社となりました。

日本におけるサーモキング

日本市場においても、サーモキングは長い歴史を持っています。1963年に日本航空の子会社として東洋サーモコントロールが設立され、輸入、販売、アフターサービスが開始されました。その後、三菱商事が主要株主となり、サーモキング製品の普及に大きく貢献しました。

2000年には、ゼクセル・コールドシステムズとの事業統合が発表され、バス用エアコンおよび車載用冷凍装置事業において連携を強化しました。2003年には、ゼクセル・コールドシステムズと東洋サーモコントロールがインガソール・ランドに買収され、サーモキング株式会社とインガソール・ランド株式会社サーモキング事業部となりました。

2010年には、サーモキング株式会社はインガソール・ランド株式会社に吸収合併され、インガソール・ランド株式会社サーモキング事業部に一本化されました。2020年には、商号をサーモキング・ジャパン株式会社に変更し、現在に至っています。

主力製品と技術

サーモキングの主力製品は、トラックや海上コンテナ用の冷凍・冷蔵装置、バス用の空調機器です。これらの製品は、食料品、医薬品、その他温度管理が必要な貨物の輸送において、欠かせない存在となっています。高度な技術と信頼性の高さで、世界中の顧客から高い評価を得ています。

今後の展望

サーモキングは、環境問題への対応、持続可能な社会への貢献にも積極的に取り組んでいます。省エネルギー技術の開発、環境負荷の低減など、未来を見据えた取り組みが期待されています。

関連企業

サーモキングは、世界中に多くの関連企業や競合企業を抱えています。フリゴブロック、キャリアなどは、特に国際的な競争を繰り広げる主要な企業として知られています。日本国内においては、東プレ、菱重コールドチェーン、デンソーなどが主要な競合企業となります。

まとめ

サーモキングは、創業以来、冷凍・冷蔵技術の革新を続け、世界中の物流を支える重要な役割を果たしています。その歴史、技術力、そしてグローバルな事業展開は、今後も多くの注目を集めることでしょう。

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