ザウバー・C17

ザウバー・C17 (Sauber C17)

ザウバー・C17は、1998年にF1世界選手権で使用されたフォーミュラ1カーで、ザウバーが開発したモデルです。デザインと開発を担当したのはレオ・レスであり、このマシンは1998年シーズンの開幕から最終戦までの間に活躍しました。チームにとって3年目を迎えたジョニー・ハーバートに加え、ベネトンから移籍したジャン・アレジがドライバーとして参戦しました。

開発の背景

C17の設計は1997年6月にスタートしました。レスは、全く新しいモノコックとギアボックスを設計する上で多くの挑戦に直面しました。特に、コクピットサイドのクラッシュテストの衝撃値が倍増し、そのスペースが10cm前方に拡張されたことに対応するのが最も難しい課題となりました。また、1998年はナロートレッドとグルーブドタイヤの導入という大きなレギュレーション変更があったため、これに適応することも重要でした。レスはタイヤ性能がパフォーマンス全体に与える影響が大きいため、冒険的な設計を避け、安定性を重視したアイデアを盛り込みました。

ドライバーの声

3年目のハーバートはC17に対して非常に肯定的な評価を示しており、前シーズンのC16よりも大幅に改善されていると述べています。特に、セッティング変更に対する反応が良好で、バンプ時のハンドリングが向上したことを挙げました。しかし、ナロートレッド規定とグルーブドタイヤの影響で、以前よりもナーバスな挙動を示し、オーバーテイクが難しくなったと指摘しました。アレジも同様の経験をしており、彼もまたレギュレーション変更による影響を認識していました。しかし、グルーブドタイヤは周回を重ねても性能が大きく低下しないため、一貫したタイムで走行することは可能でした。

1998年シーズンの振り返り

1998年のシーズンは、ザウバーチームにとって中位グループからの脱却が難しいことを再確認する年となりました。性能と信頼性は確保されていたものの、常にポイントを獲得する常連チームにはなれませんでした。アレジとハーバートはそれぞれオーストリアGP予選で2位、ベルギーGP決勝で3位を記録するなどの活躍がありましたが、ポイント獲得は厳しかったのです。特にハーバートはオーストラリアGPで6位入賞し1ポイントを獲得しましたが、それ以降はポイント圏から遠ざかり、モチベーションを失いつつありました。最終的に彼は翌シーズンにスチュワートチームへの移籍を決意し、代わりにペドロ・ディニスが加入する運びとなりました。

シーズンの成績

チームは合計10ポイントを獲得し、コンストラクターズランキングでは6位でシーズンを閉じました。C17は性能面での良さがあったものの、競争が激しいF1の世界で安定した成績を残すことはできませんでした。ただし、ドライバーたちの技術とチームの努力は、将来への期待を持たせるものでした。

参照

• - AUTOCOURSE 1998-99, Henry, Alan (ed.), Hazleton Publishing Ltd. (1998) ISBN 1-874557-43-8

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