ザクセン＝アルテンブルク公国

ザクセン＝アルテンブルク公国：テューリンゲン地方の歴史を彩った領邦国家

ザクセン＝アルテンブルク公国（ドイツ語: Herzogtum Sachsen-Altenburg）は、ドイツ中部のテューリンゲン地方に存在した領邦国家です。その歴史は波瀾万丈で、消滅と復活を経て、ドイツ帝国の一角を担いました。

地理的特徴：テューリンゲンの複雑な領土構成

公国はテューリンゲン地方の東部に位置し、首都はプライセ川流域の都市アルテンブルクでした。しかし、テューリンゲン地方は歴史的経緯から各国が大小の飛地を有しており、ザクセン＝アルテンブルク公国も例外ではありませんでした。ドイツ帝国時代の領土は、ロイス＝ゲーラ侯国に属する土地によって大きく2つに分断されていました。西側の領域にはアイゼンベルクなどの都市が含まれ、ザクセン＝ヴァイマル＝アイゼナハ大公国に属する2つの領域を南北に隔てる形で位置していました。東はザクセン王国、北はプロイセン王国と隣接していました。

歴史：消滅と復活、そして終焉

公国の歴史は、17世紀に神聖ローマ帝国の領邦として存在したことに始まります。ヴェッティン家の支流であるエルネスティン家が統治していましたが、後にザクセン＝ゴータ＝アルテンブルク公国に編入され、一時消滅しました。

しかし、1825年にザクセン＝ゴータ＝アルテンブルク公家が断絶すると、エルネスティン系諸公国の間で領土再編が行われました。1826年からは、エルネスティン家の支流であるザクセン＝ヒルトブルクハウゼン公家のフリードリヒがザクセン＝アルテンブルク公となり、公国は復活を遂げました。

その後、公国はドイツ帝国の一員として存続しましたが、1918年11月13日、ドイツ革命と第一次世界大戦でのドイツ敗北の影響を受け、エルンスト2世が退位し、ついに滅亡しました。公国の領土は、ザクセン＝アルテンブルク自由州を経て、1920年にヴァイマル共和国のテューリンゲン州となりました。

歴代君主：公国の歴史を彩った統治者たち

ザクセン＝アルテンブルク公国を統治した主な君主は以下の通りです。

ヨハン・フィリップ（1603年 – 1639年）
フリードリヒ・ヴィルヘルム2世（1639年 – 1669年）
フリードリヒ・ヴィルヘルム3世（1669年 – 1672年）
（1825年までザクセン＝ゴータ＝アルテンブルク公が地位を継承）
フリードリヒ（1826年 – 1834年）（ザクセン＝ヒルトブルクハウゼン公）
ヨーゼフ（1834年 – 1848年）
ゲオルク（1848年 – 1853年）
エルンスト1世（1853年 – 1908年）
* エルンスト2世（1908年 – 1918年）

ザクセン＝アルテンブルク公国は、短いながらも波乱に満ちた歴史を持つ領邦国家でした。その歴史は、テューリンゲン地方の複雑な領土構成や、ドイツの歴史における領邦国家の役割を理解する上で重要な事例と言えるでしょう。

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