ザクリッチとは、
ロッテアイス株式会社がかつて製造・販売していた
アイスクリーム製品です。
2010年3月29日に初めて市場に登場し、その独特の食感から多くの消費者に親しまれましたが、2018年をもって惜しまれつつ製造を終了しました。
希望小売価格は税込126円でした。
本製品の最大の特長は、何といってもその「ザクザク」とした心地よい食感にありました。中心にはクリーミーなバニラアイスが詰まっており、その外側全面が、厚みのある
チョコレートとサクサクとしたパフで贅沢にコーティングされていました。一般的なコーンタイプのアイスでは、表面や一部にしか
チョコレートやトッピングがないことが多い中、「ザクリッチ」はアイスのどの部分を食べても、最初から最後まで一貫してこのザクザク食感を味わえるよう工夫されていました。この全面コーティング構造が、他のアイス製品との明確な差別化点となっていました。
また、コーン部分にも独自のこだわりが見られました。使用されているコーンは、
キャラメルパウダーが配合されており、香ばしい風味と程よい甘さがアイスや
チョコレートの味を引き立てていました。さらに、その形状もユニークで、一般的な円錐形ではなく、側面が平らな三角形に近い薄型コーンが採用されていました。この薄型形状は手に持ちやすく、また食べ進める際にも安定感があるという利便性も兼ね備えていました。
発売直後の「ザクリッチ」は、消費者の間で大きな話題を呼び、
ロッテアイスが当初計画していた販売数量を大幅に上回る売れ行きを示しました。予想外の需要の高さから供給が追いつかなくなり、発売からわずか2週間後の
2010年4月11日には、製造元の
ロッテアイスから一時的な販売休止が発表される事態となりました。この販売休止期間を経て、製造体制が整い次第、順次各地での販売が再開されました。
製品はその後も改良が加えられました。特に2012年3月1日には、アイス部分の味わい、
チョコレートコーティングの質感、そして製品パッケージデザインを含む全体的なリニューアルが実施されました。このリニューアルに合わせて、新しいテレビコマーシャルも制作され、女性アイドルグループ「ザクリッチガールズ」が結成されて製品をPRしました。
残念ながら、「ザクリッチ」は2018年にその製造・販売を終了しました。しかし、その独特な食感と持ちやすい形状は、多くのアイス好きの記憶に刻まれており、今なお復活を望む声も聞かれるほどです。短い販売期間ながら、アイス市場において確かなインパクトを残した製品と言えるでしょう。