ザヒ・ハワス

ザヒ・ハワス

ザヒ・ハワス（1947年5月28日生まれ）は、エジプト出身の著名な考古学者であり、エジプト考古最高評議会（CSA）の事務総長を務めた。彼は一時期、考古大臣としても活躍した。ハワスはエジプト学の分野で特に知られ、多くの文化遺産の保護と返還運動に力を入れている。

経歴

ハワスはエジプトのダミエッタ管区にある小さな村で生まれ、幼少期は法律家になることを夢見ていた。彼は1967年にアレキサンドリア大学でギリシア考古学とローマ考古学の学位を取得し、その後カイロ大学に進学してエジプト学の分野で学位を得た。ギザのピラミッド地帯にある考古局での勤務を経て、1980年代にはペンシルベニア大学に入学し、博士号を取得している。

その後、彼はエジプトの考古学総監督としての役割を担い、さまざまな大学で教鞭を執ることとなった。1987年から1992年にかけては、エジプトのギザおよびサッカラの考古学総監督を務め、考古学の発展に寄与した。特に彼のリーダーシップの下で、数多くの重要な発見が報告された。

ムバラク政権下

2002年にハワスはエジプト考古最高評議会の事務総長に就任し、エジプト人によるエジプト学の発展を強く推進した。彼は文化財の保護や返還運動にも積極的に取り組み、その影響力は大きかったが、批判も多く聞かれた。特に、彼の権限の私物化についての指摘は事欠かなかった。

2011年革命以降

2011年のエジプト革命中に新設された考古大臣に任命されたが、数ヶ月後には辞職。彼はカイロ博物館での特定業者への便宜供与の容疑で一時、有罪判決を受けたが、控訴後に判決は解除された。その後もタンターウィー暫定政権下で短期間再度考古大臣を務めたものの、再び辞職した。

政策と活動

ハワスは欧米や日本のメディアを積極的に利用し、ヒストリーチャンネルなどの特集にも出演することで、古代エジプト文化を広める一方、強硬な出土国主義を掲げている。文化財の流出については、合法・非合法を問わず返還を要求し続けており、特に2022年には18世紀から20世紀初頭にかけて流出した品々の返還を求めて活動している。この取り組みは、エジプトが過去に繰り返し行ってきた返還要求の発展にあたる。

受賞歴

ザヒ・ハワスはその業績と影響力が評価されており、2006年9月に国際テレビ映画部門でエミー賞を受賞、2009年にはスペイン政府からスペイン芸術文学勲章を、2022年には日本政府から旭日重光章を受勲している。彼の功績は文化的にも高く評価され、今後もその影響力は続いていくだろう。

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