ザルツブルク祝祭大劇場

ザルツブルク祝祭大劇場：音楽の殿堂

ザルツブルク祝祭大劇場（Das Große Festspielhaus in Salzburg）は、オーストリアのザルツブルクに位置する著名な劇場です。ザルツブルク音楽祭やザルツブルク復活祭音楽祭といった国際的な音楽祭の主要な会場として、オペラやコンサートが頻繁に開催されています。

概要

1960年にクレメンス・ホルツマイスターの設計によって完成した祝祭大劇場は、その建設においてメンヒスベルクの岩盤を大規模にくり抜いたことで知られています。これは、世界最大級のステージを確保するためでした。ステージの大きさは、最大で横32メートル、高さ9メートルに達し、舞台裏には横100メートル、奥行き25メートルの広大なスペースが広がります。2179席の座席は、全ての席から舞台が見やすく、かつバランスの取れた音響となるように設計されています。

特徴

オペラとコンサートの両立: 祝祭大劇場は、オペラとコンサートの両方の会場として高い評価を得ている点が特徴です。これは、設計年代や規模から考えると驚異的であり、国際的な評価の高さは、劇場としてのハード面だけでなく、そこで行われる音楽会の質や観客、歴史といったソフト面も含めた総合的なものによるものです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンとの関係: ザルツブルク生まれの偉大な指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンは、この劇場で数々の演奏を指揮しました。彼の功績を記念して、劇場の西側の広場は「ヘルベルト・フォン・カラヤン広場」と命名されました。また、劇場内にはカラヤンの部屋があり、彼が劇場にいるかどうかは、部屋の前にポルシェが停まっているかどうかで分かったと言われています。

歴史

祝祭大劇場の起源は、ザルツブルク大司教の宮廷厩庫に遡ります。1606年から1607年にかけて建造されたこの厩庫は、後に拡張され、冬季乗馬学校や夏季乗馬学校（現在のフェルゼンライトシューレ）が建てられました。1803年には騎兵隊兵舎として使用され、第一次世界大戦後にはオーストリア連邦軍が配置されました。1956年から1960年にかけて、メンヒスベルクの岩盤を掘り起こして祝祭大劇場が建設され、1960年7月26日にリヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」がカラヤンの指揮で杮落とし公演が行われました。

服装について

音楽祭のチケットには「ふさわしい服装で」との注意書きがありますが、観光客が多い現在では、それほど厳格に考える必要はありません。1階席では、スーツにネクタイ、または華やかなブラウスとスカートなどが適切です。ただし、スニーカー、ジーンズ、短パン、Tシャツ、カジュアルなサンダルなどは避けるべきです。着物は正装として適切ですが、座席の段差が小さいため、後ろの観客の迷惑にならないよう注意が必要です。

現在でも、タキシードやロングドレスを着用する観客も多く見られます。音楽祭の開演前には、劇場の正面玄関の反対側に、観客のドレスを見るための観光客が集まる光景も見られます。

まとめ

ザルツブルク祝祭大劇場は、音楽愛好家にとって特別な場所であり、その歴史、建築、そしてそこで繰り広げられる音楽体験は、訪れる人々を魅了し続けています。

外部リンク

* ザルツブルク音楽祭公式ページ（英語）

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