ザンダースハウゼンの戦い

ザンダースハウゼンの戦い：七年戦争におけるフランス軍の勝利

ザンダースハウゼンの戦いは、七年戦争中の1758年7月23日に、フランス軍がヘッセン＝カッセル軍に対して勝利を収めた戦いです。この戦いは、フランス軍によるヘッセン＝カッセル方伯領への侵攻作戦の一環として行われました。

背景

1758年6月27日、クレーフェルトの戦いと同日に、フランス軍のスービーズ公はヘッセン＝カッセル方伯領への侵攻を命じました。これを受けて、ブロイ公が率いるフランス軍2万がヘッセン軍との決戦に臨みました。ヘッセン軍の指揮官であったヨハン・カジミール・フォン・イーゼンブルク＝ビルシュタインは、自軍の兵力不足と傷病兵の多さから、エーダー川を越えてフリッツラーへの撤退を試みました。7月22日には、カッセルにおいてフルダ川を渡河しています。

戦闘の経過

7月23日、ブロイ公はフランス軍の前衛を率いて、ヘッセン軍が野営していたザンダースハウゼンに進軍しました。午前11時、フランス歩兵がフルダ川を渡河し、続いて騎兵も渡河しました。

ザンダースハウゼンのヘッセン軍哨戒部隊はすぐに退却しましたが、2箇所の遮蔽陣地からの激しい射撃により、フランス軍の進軍は一時停止しました。ブロイ公は砲兵を投入してヘッセン軍を攻撃し、ヘッセン軍は当初撤退を試みましたが、後に反撃に転じました。ヘッセン軍は、自軍の中央に大砲を配置し、ハン・ミュンデンへの道の左右に展開、右翼をフルダ川に通じる樹木の茂った坂に、左翼の騎兵をエレンバッハ農園に、そして傷病兵を後方の第二列に配置しました。

一方、ブロイ公率いるフランス軍は、16時間にも及ぶ行軍の後でしたが、3列の陣形を整えて応戦しました。陣形は、第三列に10門の大砲を配備し、両翼には騎兵を配置しました。

フランス軍の右翼縦隊は、激しい砲撃に晒されていたエレンバッハ農園へ進軍し、ブロイ公は擲弾兵部隊を投入しました。これに対し、イーゼンブルクは騎兵にフランス軍右翼の騎兵への反撃を命じ、戦況は一進一退となりました。

激しい混戦が続く中、午後6時30分、フランス軍による銃剣突撃がヘッセン歩兵の右翼を打ち破り、ついに決着がつきました。フランス猟兵は騎兵の援護を受けながらエレンバッハの谷を制圧し、ヘッセン軍は撤退を開始しました。ブロイ公は、自軍の疲労を考慮し、追撃は行いませんでした。

戦闘の結果

戦闘後、フランス軍はマールブルクとカッセルを占領し、両市に市長を任命しました。その後、10月10日には、ヘッセン軍とハノーファー軍がフランス軍の補給線を遮断しようとルッターベルクの戦いを挑みましたが、敗北を喫しました。

ザンダースハウゼンの戦いは、七年戦争におけるフランス軍の戦略的な勝利であり、ヘッセン＝カッセル方伯領の占領を可能にする上で重要な役割を果たしました。

参考文献：
* Atlas des plus mémorables batailles, combats et sièges des Temps Ançiens, du Moyen Âge et de l'Âge Moderne, Franz von Kausler 1831.

もう一度検索