ザ・クルー (ボードゲーム)

ザ・クルー 第9惑星の探索

『ザ・クルー 第9惑星の探索』は、トーマス・シングがデザインし、コスモス社から出版された協力型トリックテイキングカードゲームです。プレイヤーは宇宙船のクルーとなり、力を合わせて50のミッションを成功させ、第9惑星の発見を目指します。

ゲームの概要

このゲームは、通常のトリックテイキングゲームに協力要素を加えたもので、プレイヤー同士の連携が非常に重要になります。各ミッションには異なる目標が設定されており、それを達成するために、手札の情報を共有したり、戦略を立てたりする必要があります。

ルール

カード構成

プレイングカード (大): 4色（ピンク、青、黄色、緑）の1〜9のカードと、切り札となる「ロケット」の1〜4のカードがあります。合計40枚です。
タスクカード (小): 4色（ピンク、青、黄色、緑）の1〜9のカードがあります。ロケットのカードはありません。合計36枚です。ミッション中に目標とすべきカードを示すために使用します。
特殊カード: 手札の内容を1枚だけ見せる際に使用するカードです。

内容物

交信トークン: ヒントを伝えるために使用します。
救難信号トークン: 全員の手札を交換するために使用します。
タスクコマ: ミッションに応じて使用します (1, 2, 3, 4, 5, >, >>, >>>, >>>>, Ω)。
司令官コマ: ミッションのリーダーを示すために使用します。
説明書兼ログブック: ミッションの内容が記載されています。

ゲームの準備

1. ログブックからミッションを1つ選択します。最初は小さい数字のミッションを選ぶのがおすすめです。
2. ミッションの内容を確認し、必要なタスクカードとタスクコマを取り出します。
3. ミッションに青いカードと数字が記されている場合、手札を配った後、タスクカードを数字の数だけ表向きに並べます。
4. ミッションにタスクコマが記されている場合、タスクカードとともに、それぞれのカードにタスクコマを配置します。
5. 赤い稲妻矢印が書かれている場合、そのミッションでは交信に制限がかかります。
6. プレイングカードを各プレイヤーに配り切ります。

2人の場合: 架空のプレイヤー「JARVIS」が参加します。人間であるプレイヤーに13枚、JARVISに14枚配ります。JARVISのカードは、プレイヤーが相談して選びます。
3人の場合: 1人だけ手札が1枚多くなります。事前に緑のカードとロケットの1のカードを箱に戻しておくことで、均等に配ることができます。

ゲームの進行

1. 手札に「ロケット」の4を持っているプレイヤーが司令官となり、司令官コマを受け取ります。
2. 司令官は、中央に並んでいるタスクカードの中から1枚を選び、自分の前に置きます。タスクコマが乗っている場合は、それも一緒に獲得します。
3. 司令官から時計回りに、次のプレイヤーが同様にカードを取ります。タスクカードが無くなるまで繰り返します。

トリックテイキングのプレー

1. 各トリックの1枚目を出す前に、プレイヤーは交信トークンを使ってヒントを与えることができます。
2. トリックは、各プレイヤーが1枚ずつカードを出し、勝者を決めることを指します。
3. 1トリック目は司令官から、2トリック目以降は直前の勝者がスタートとなります。
4. スタートのプレイヤーは自由にカードを出すことができます。
5. 2番手以降のプレイヤーは、スタートと同じ色のカードがあれば、必ずその色の中からカードを出さなければなりません（マストフォロー）。
6. 同じ色がなければ、どのようなカードを出しても構いません。
7. 全員が1枚ずつカードを出したら、トリックの勝者を決めます。カードの強さは「色」>「数字」の順で決まり、同じ色が出ているときは数字で判断します。

色の強さ: 「ロケット」>「スタートに出された色」>「上記に当たらない色」
数字の強さ: 数字が大きい方が強い
8. 勝利したプレイヤーは、出されたプレイングカードをすべて獲得します。自分が獲得したカードとタスクカードで色も数字も全く同じものがあれば、タスクカードをひっくり返し、達成済みにします。
9. 手札を使い切るまでに、タスクカードをすべて裏にするか、ミッションに指定された条件を満たすことができればミッションクリアとなります。

タスクコマの意味

タスクカードに乗っているコマは、タスクの達成順を指定します。

数字 (1, 2, 3, 4, 5): 数字の若い順に達成する必要があります。
> (>, >>, >>>, >>>>): 「>」の数が少ない順に達成する必要があります。コマの乗っていないタスクカードは、いつでも達成可能です。
Ω: 必ず最後に達成する必要があります。

交信トークンと通信妨害

各トリックのスタートのカードが出る前に、交信トークンを使って手札の中身のヒントを与えることができます。

カードの上部に配置: そのプレイヤーの中で、そのカードがその色の中で最大値のカードであることを示します。
カードの下部に配置: そのプレイヤーの中で、そのカードがその色の中で最小値のカードであることを示します。
カードの中央に配置: そのプレイヤーの中で、そのカードがその色の中で唯一のカードであることを示します。

ミッションによっては、通信妨害が発生することがあります。稲妻矢印に数字が記されている場合は、交信トークンの使用がそのトリックまで禁止されます。「？」と記されている場合は、トークンの置き方に制限がかかります。

救難信号

プレイ中いつでも、1度だけ救難信号を送信し、手札を交換することができます。全員の相談で救難信号トークンを使用した場合、全プレイヤーは時計回りか反時計回りに1枚だけカードを渡すことができます。

受賞歴

2020年 ドイツ年間ゲーム大賞（Spiel des Jahres）エキスパート大賞
2020年 ドイツゲーム賞（Deutscher Spiele Preis）1位

続編

続編として、『ザ・クルー 深海に眠る遺跡』が発売されています。海底遺跡の探索をモチーフにした作品で、新たな要素が追加されています。

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