ザ・シークレット・サービス

ザ・シークレット・サービス (1993)

『ザ・シークレット・サービス』（原題: In the Line of Fire）は、1993年に公開されたアメリカ映画で、サスペンス・アクション・スリラーの要素を含みます。物語は、かつてアメリカ合衆国の大統領を守るはずだったが失敗した老シークレットサービス・エージェント、フランク・ホリガンと、暗殺を企てる男との緊迫した対立を描いています。主なキャストには、クリント・イーストウッド、ジョン・マルコヴィッチ、レネ・ルッソが名を連ねています。

あらすじ

物語は、シークレットサービスのベテランであるフランク・ホリガンの老境に差し掛かった姿から始まります。彼はかつての過去、ダラスでのケネディ大統領暗殺事件の際に自らが大統領を守れなかったことを悔いています。このトラウマから逃れることができず、酒に溺れ家庭も失い、今では新人警護官、アル・ダンドゥレアと共に現場での捜査官として活動しています。

フランクは大統領の再選キャンペーンに関連する事件の捜査を任されます。彼は大統領を狙う暗殺者の存在を示唆する情報を得て、徹底的に調査を進めます。しかし、暗殺者と思われる男ブースからの挑発的な電話によって、フランクは再び大統領の警護職に復帰することに。彼は若い女性警護官リリー・レインズとも出会い、彼女との関係が深まります。

フランクは年齢による体力の衰えを見せながらも職務に邁進しますが、ブースは巧妙に彼を挑発し続けます。逃げる際に残した指紋から彼の正体を掴もうとしながらも、FBIから届いた報告は矛盾したもので、フランクは孤立無援の状況に追い込まれてしまいます。選挙イベントでの誤解からフランクは警護チームを外されてしまいますが、彼の友人であるアルが調査を進め、暗殺者の手がかりを見つけ出します。

暗殺者のブースは元CIAの特殊工作員で、解雇に対する復讐心から大統領暗殺を計画していた。対峙することで徐々にブースの計画が明らかになり、フランクは再び大統領の警護に復帰します。だが、暗殺者との直接対決が迫り、大統領を守るべく彼は駆け抜けます。

クライマックスでは、大統領の命を狙うブースとの壮絶な対決が繰り広げられます。フランクは大統領を守るために自らの身を犠牲にし、なんとか暗殺を阻止します。しかし、彼はその瞬間に人質にされ、緊張感の高い状況が展開されます。最終的に、フランクはブースを制圧し、暗殺を未然に防ぐことに成功しますが、その過程で仲間を失うという辛い結末も迎えます。

製作背景

この映画は、1980年代からの企画の集大成であり、ケネディ暗殺事件に関するシークレットサービスの活動を描くというコンセプトが練られていました。脚本は1991年にジェフ・マグワイヤーが担当し、その後映画が形になっていきます。1992年にはワシントンD.C.を舞台に撮影が行われ、特にデジタル技術が取り入れられた点でも注目されました。シーンによっては既存の映像を加工して新たな映像として使用するなど、革新的な試みが行われています。

公開と評価

映画は1993年に公開され、興行的にも成功を収めました。レビューサイト「Rotten Tomatoes」では97%の支持を得ており、批評家からは高い評価を受けました。特に、イーストウッドとマルコヴィッチの演技が絶賛され、サスペンスの緊迫感とストーリーの深さが評価されました。

『ザ・シークレット・サービス』は、エンターテインメントとしてだけでなく、シークレットサービスの内面や歴史的背景にも迫る作品として、多くの人に影響を与える映画となりました。

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