ザ・トーチ

ザ・トーチ

ザ・トーチ（The Torch）またはザ・マリーナ・トーチ（The Marina Torch）は、アラブ首長国連邦のドバイに位置する、地上79階、高さ330メートルの超高層マンションです。この建物はドバイマリーナ地区の海沿いに立っており、2011年の完成時にはオーストラリアのゴールドコーストにあるQ1を抜いて、世界で最も高い居住用建物としての称号を獲得しました。しかし、この記録は2012年に近隣のプリンセスタワーが完成することで更新されました。

建設の経緯

ザ・トーチの設計は、当初ハティーブ・アンド・アラミ（Khatib & Alami）が手掛け、地上74階と地下3階の構造で、総面積は111,832平方メートルに及ぶ予定でした。住居は1ベッドルームから3ベッドルームまでの504室と、2室分の大型住居4室が計画されており、駐車場は地下の3階層を含む536台の収容能力を持つことが提案されていました。さらに5階と6階にはプールやフィットネスクラブ、カフェテリア、運動室などの共用施設も設けられる計画となっていました。

しかし、最初の計画はアル・ラシディーン・トレーディング（Al Rashideen Trading）からセレクト・グループ（Select Group）に譲渡され、その後新たにナショナル・エンジニアリング・ビューロー（National Engineering Bureau）が建築コンサルタントとして関与しました。この変更により、設計の見直しが求められ、工事は延期に。それに伴い、ドバイ市からの許可が遅れ、構造上の問題が懸念されることとなりました。

この影響で着工が18ヶ月遅れ、2007年4月現在ではまだ基礎工事が始まったばかりでした。完成予定は2008年6月から2009年末に延長され、最終的に竣工は2011年5月に達成されました。完成時には676室の住居と、商業エリアとして利用可能な6ユニットが設けられました。

火災事件

2015年2月21日未明、ザ・トーチで火災が発生しました。この火災は50階付近で始まり、強風の影響で火の勢いが増し、燃えた破片が周囲に飛び散るという危険な状況となりました。消防当局はこれを重大な災害と見なし、周辺の高速道路は渋滞が生じ、周囲の安全確保が急務となりました。

火災は約3時間後に鎮火され、幸いにも大きな人的被害は報告されなかったものの、煙を吸って7名が治療を要しました。50階以上の外壁には焦げ跡が残り、101室が居住不能とされ、住居者には無償のホテルや住居が提供される対応が取られました。

結論

ザ・トーチはその高さとデザインから、ドバイマリーナの象徴的な存在となっています。高度な建築技術と国際的な住民が集うことから、地域の文化的なアイコンとしての役割も果たしています。変わり続ける都市環境の中で、ザ・トーチはその影響力を持ち続け、住民と訪れる人々に印象を与えています。

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