ザ・ナターシャー・セブン

ザ・ナターシャー・セブンの歴史と音楽性

フォーク音楽の魅力を伝えた「ザ・ナターシャー・セブン」は、1970年代から1980年代初頭にかけて日本で活動していたフォークバンドです。このバンドは、ブルーグラスやアメリカの伝統的なフォーク、日本の民謡に至るまで、さまざまなジャンルの楽曲を取り入れていました。また、全国各地でのコンサート活動や「107 SONG BOOK」の発行を通じて、彼ら独自の音楽スタイルを築き上げていきました。

バンドの結成と初期の活動

ザ・ナターシャー・セブンの結成は、1971年に遡ります。高石ともやと城田じゅんじの出会いがきっかけとなり、両者は意気投合。彼らを紹介したのはフィドル奏者の井芹誠でした。最初は「バック・ステップ・カントリーバンド」として活動を開始し、1971年2月28日に「高石ともやとザ・ナターシャー・セブン」と改名しました。このバンド名は、高石が住んでいた福井県名田庄村の地名に由来し、「セブン」は語呂合わせで名付けられました。

初期のメンバーは、高石、城田、井芹、北村謙、箕岡修の5人でスタートし、その後もメンバーの変更が続きましたが、1975年から1980年代初頭にかけてのメンバーは、高石、城田、坂庭しょうご、木田たかすけの4名が中心とされ、この時期が最も活発な活動を展開しました。特に、宵々山コンサートの開催は京都の夏の恒例行事となり、多くのファンに支持されました。

最盛期の活動と代表曲

ザ・ナターシャー・セブンは1976年に「107 SONG BOOK」を発行し、これはレコード大賞の企画賞を受賞するなど、彼らの名声を高める要因となりました。宵々山コンサートは毎年行われ、全国各地での野外フェスティバルへの参加にも力を入れ、多くの観客を魅了しました。また、1977年には杉田二郎グループやダウン・タウン・ブギウギ・バンドとの共同プロジェクト「J・D・S・N」にも参加し、普段とは異なるコミカルな楽曲も披露しました。

このように、安定したメンバーで活動したこの時期には、バンドらしいサウンドが確立され、特に「孤独のマラソン・ランナー」などの作品が注目を集めました。そして、フォークの原点を求める姿勢は、彼らの楽曲に深く反映されていました。

衰退と解散

しかし、1980年に木田が脱退し、その後すぐに交通事故で亡くなるという衝撃的な出来事がありました。この影響で、グループ内の意見対立が顕在化し、1983年には城田も脱退。1985年には活動を停止することとなります。この年、宵々山コンサートも終了しましたが、その後1994年に再開されました。

再結成と新たな展開

1998年にザ・ナターシャー・セブンは期間限定の再結成を果たし、ここに至るまでバンドとしての活動が続きました。過去のメンバーと新しいメンバーでの協力の中で、音楽活動を再開しました。この再結成後も、コンサートやレコーディングを行い、ファンとの交流を深めていきます。

2011年には宵々山コンサートでの一夜限りの再結成、2012年には「ザ・ナターシャー・セブン第二章」として大阪でライブを開催するなど、彼らの音楽は今もなお、世代を超えて愛され続けています。

音楽スタイルと今後の展望

ザ・ナターシャー・セブンの音楽性は、フォークソングのルーツを探りながら、日本独自のアプローチで表現されてきました。ブルーグラスやトラディショナルフォークを基にしながらも、日本の文脈に合った形でアレンジされている点が特徴です。今後も、その独自の音楽哲学は多くの人々の心に響き続けるでしょう。

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