ザ・ナック

ザ・ナック（The Knack）は、1970年代後半から1980年代初頭にかけて活躍したアメリカのロックバンドです。1978年5月にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成され、そのキャッチーでエネルギッシュなサウンドで一世を風靡しました。彼らの音楽は、ニューウェーブやパワーポップの要素を取り入れ、多くのファンを魅了しました。

バンドの歴史

ザ・ナックは、バートン・アヴェール（ギター、キーボード）、ダグ・フィーガー（ボーカル、ギター）、ブルース・ゲイリー（ドラム）、プレスコット・ナイルズ（ベース）の4人を中心に結成されました。1979年にリリースしたデビューアルバム『ゲット・ザ・ナック』は、大ヒットシングル「マイ・シャローナ」を収録し、瞬く間にトップバンドの仲間入りを果たしました。この曲は、そのシンプルながらも中毒性のあるリフと、ダグ・フィーガーの魅力的なボーカルで、世界中で大ヒットしました。

しかし、バンドは1982年に一度解散。その後、1980年代後半に再結成し、何度かのメンバーチェンジを経て、断続的に活動を続けました。再結成後の活動では、オリジナルメンバーに加え、フィル・ジョスト（キーボード）、スティーヴン・マクナリー（ボーカル）、ビリー・ウォード（ドラム）、パット・トーピー（ドラム）、テリー・ボジオ（ドラム）、デヴィッド・ヘンダーソン（ドラム）、デュアン・レイナン（ベース）といった、多くのミュージシャンが参加しました。

ザ・ナックの音楽は、1970年代のロックンロールのエネルギーと、1980年代のニューウェーブの雰囲気を融合させたもので、シンプルながらも洗練されたサウンドが特徴です。彼らの曲は、キャッチーなメロディと、親しみやすい歌詞で、多くの音楽ファンに支持されました。

メンバー

バートン・アヴェール（Berton Averre）: バッキング・ボーカル、リードギター、キーボードを担当。バンドの初期から解散、そして再結成後の活動にも参加した中心メンバー。
ダグ・フィーガー（Doug Fieger）: リード・ボーカル、リズムギター担当。バンドのフロントマンとして、魅力的な歌声とカリスマ性で人気を集めたが、2010年に逝去。
ブルース・ゲイリー（Bruce Gary）: ドラムを担当。1978年の結成から1982年の解散、そして再結成後の初期にも参加したが、2006年に逝去。
プレスコット・ナイルズ（Prescott Niles）: ベースを担当。バンドの初期から解散、そして再結成後の活動にも参加したメンバー。
フィル・ジョスト（Phil Jost）: 1981年にキーボードを担当。
スティーヴン・‘マック’・マクナリー（Stephen 'Mac' McNally）: 1982年にリード・ボーカルを担当。
ビリー・ウォード（Billy Ward）: ドラムを担当。再結成後の中心メンバー。
パット・トーピー（Pat Torpey）: ドラムを担当。再結成後の2000年代に活動したが、2018年に逝去。
テリー・ボジオ（Terry Bozzio）: ドラムを担当。1998年から2001年まで参加。
デヴィッド・ヘンダーソン（David Henderson）: 2001年にドラムを担当。
デュアン・レイナン（Duane Leinan）: 2008年から2010年までベースを担当。

作品

ザ・ナックは、数々のアルバムをリリースしました。中でも、デビューアルバム『ゲット・ザ・ナック』は、彼らの代表作であり、ロック史に残る名盤として評価されています。

スタジオ・アルバム
『ゲット・ザ・ナック』 – Get the Knack（1979年）
『バット、ザ・リトル・ガールズ・アンダースタンド』 – ...But the Little Girls Understand（1980年）
『ラウンド・トリップ』 – Round Trip（1981年）
『シリアス・ファン』 – Serious Fun（1991年）
『ズーム』 – Zoom（1998年）
『ノーマル・アズ・ザ・ネクスト・ガイ』 – Normal as the Next Guy（2001年）
Rock & Roll Is Good for You: The Fieger/Averre Demos（2012年）

ザ・ナックは、その後の音楽シーンに大きな影響を与え、多くのアーティストに影響を与えました。彼らの音楽は、今もなお、多くの人々に愛され続けています。

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