ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズ

ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズは、ミシガン州デトロイト郊外のオーバーンヒルズに存在した多目的アリーナです。特にNBAのデトロイト・ピストンズの本拠地として、長年にわたりファンに愛されてきました。

概要

ピストンズは、ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズに移転する以前は、アメリカンフットボール用に建設されたポンティアック・シルバードームを本拠地として使用していました。その後、2017-18シーズンにリトル・シーザーズ・アリーナへ移転し、ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズは閉鎖されました。閉鎖後の跡地には、自動車製造拠点を誘致し、再開発が進められる計画となっています。

施設の特徴

ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズは、バスケットボールの試合観戦時には22,076席の座席を提供することができました。また、コンサートやボクシングの試合などのイベント開催時には、コートを解放することでさらに多くの観客を収容することが可能でした。その立地の良さから、数多くのロックコンサートやボクシングの試合会場としても利用され、エンターテイメントの発信地としての役割も担っていました。

さらに、180室の豪華な観戦用個室（スイートルーム）が設けられており、これらは全て年間予約制で貸し出されていました。1988年の開業当初は、全ての個室を貸し切ることは難しいと考えられていましたが、施設の人気が高まるにつれて需要が拡大し、成功を収めました。この成功を受けて、後に建設される多くの新しいアリーナ施設にも、多数の個室が設けられるようになりました。

パレスの騒乱

2004年11月19日、デトロイト・ピストンズ対インディアナ・ペイサーズの試合中に、選手とファンとの間で大規模な乱闘事件が発生しました。この事件は「パレスの騒乱（The Malice at the Palace）」として知られています。試合終盤、ピストンズの選手がペイサーズの選手にファウルを犯したことをきっかけに、両チームの選手たちが激しく衝突。さらに、観客席から選手に対して物が投げ込まれ、選手が観客席に乗り込むなど、事態は悪化の一途をたどりました。この事件は、NBAの歴史において最も悪名高い事件の一つとして記録されています。

ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズは、デトロイト・ピストンズの輝かしい歴史を支え、数々の感動的な瞬間を生み出した場所でした。閉鎖は惜しまれますが、その記憶は多くのファンの心に刻まれ続けるでしょう。

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