ザ・ビートルズ・クラブ

ザ・ビートルズ・クラブ（BCC）は、現在日本におけるビートルズの唯一の公認ファンクラブです。その歴史は、1966年、ビートルズが日本に初来日した年にまで遡ります。当初は「ビートルズ研究会」として発足しましたが、その後「ザ・ビートルズ・シネ・クラブ」を経て、1996年に現在の名称へと変更されました。

BCCは、1972年に解散したビートルズ・ファン・クラブ（BFC）とは別組織であり、独立して活動を続けています。現在の会長は斉藤早苗氏が務めています。

BCCの活動内容は多岐に渡ります。最も重要な活動の一つに、月刊会報誌『月刊 ザ・ビートルズ』（BCC出版）の発行があります。この会報誌は、ビートルズに関する最新情報や、メンバーのインタビュー、貴重な写真などを掲載し、ファンの間で高い人気を誇っています。

会報誌内では、長年にわたる連載企画も展開されています。「ビートルズ全曲紹介」では、ビートルズの全楽曲を網羅的に解説し、「ベス子に聞け！」では、ビートルズに関する様々な疑問に答えるコーナーが設けられています。さらに、ビートルズの解散直後から2001年までの出来事を日付順にまとめた書籍の翻訳や、「真相！ゲット・バックセッション」、「ビートルズ使用楽器」といった、ビートルズ研究に欠かせない連載も掲載されています。近年では、ピート・ショットンによるジョン・レノンとビートルズの回想録の連載や、ビートルズ関連人物紹介の連載も開始されています。

過去には、『ザ・ビートルズ・マガジン』との提携も行われ、最新のビートルズ情報や、トニー・バウロウの回想録なども紹介されていました。

イベント開催もBCCの重要な活動の一つです。特に、1980年12月、ジョン・レノンの急逝を受け、多くのファンの要望に応える形でジョン・レノン追悼集会を開催したことは、BCCの歴史において重要な出来事となりました。また、2000年にはジョン・レノン没後20周年を記念した追悼イベントを北沢タウンホールで開催し、「ヘイ・ブルドッグ」のPV上映や、押葉真吾氏らによるライブパフォーマンスなども行われました。その他にも、トリビュートイベントの企画・開催や、ビートルズに関する研究・執筆・出版活動など、多様な活動を通じて、ビートルズとその音楽への情熱を広く伝えています。

BCCは、1985年には、ポール・マッカートニーの映画『ヤア！ブロードストリート』のストーリーブックを発刊しました。このストーリーブックは、斉藤会長がメイキング、ストーリー、ポールのプライベートに関する部分を翻訳し、財津和夫氏がポールが収録曲について語る部分を翻訳するという形で制作されました。

このように、ザ・ビートルズ・クラブは、単なるファンクラブにとどまらず、ビートルズ研究の拠点として、日本のビートルズ・ファン文化に多大な貢献をしてきました。今後も、ビートルズの魅力を伝え続ける活動が期待されます。

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