ザ・ファイブ・ブラッズ

『ザ・ファイブ・ブラッズ』(原題: Da 5 Bloods)

2020年に配信されたアメリカの戦争映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』は、スパイク・リー監督が手掛け、デルロイ・リンドーやノーム・ルイスなどの俳優陣が出演しています。本作は、長い間心に抱えてきた戦争の記憶と向き合う元兵士たちの物語です。彼らは、戦友であり隊長であったノーマンの遺骨と埋蔵金を求めて再びベトナムの地を訪れることになります。

ストーリー

ポール、エディ、オーティス、メルヴィンの4人は、ベトナム戦争から帰還してから長い年月が経った元兵士たちです。彼らは、戦死したノーマン隊長の遺骨とともに、当時埋めた金塊を探し出すためにベトナムへ向かうことに決めます。この旅には、ポールの息子デヴィッドも同行し、父親の心情を心配しながら彼らの旅を見守ります。

戦場での厳しい経験を思い出させるフラッシュバックが頻繁に起こり、ジャングルの深いところまで踏み込む中で、彼らが直面する現実は予想以上のものでした。ベトナム戦争が今もなお地元住民に与えた影響は深刻であり、戦争の傷跡は彼らを苦しめ続けています。

キャスト

本作には多様なキャラクターが登場し、それぞれが異なる背景を持っています。主要キャストには、ポール役のデルロイ・リンドー、オーティス役のクラーク・ピータース、エディ役のノーム・ルイス、メルヴィン役のイザイア・ウィットロック・Jrがいます。また、ノーマン役のチャドウィック・ボーズマンや、ポール役の息子デヴィッドを演じるジョナサン・メイジャーズも印象的な演技を見せています。

製作の過程

この映画の脚本は2013年に書かれましたが、当初は白人のベトナム帰還兵が主人公でした。しかし、スパイク・リー監督は多くの黒人兵士が戦争に従軍した事実に着目し、主人公を黒人に変更することを決定しました。2017年にこのプロジェクトがリーの手に渡り、その後の進行には彼の強い信念が反映されています。特に、1984年に出版された書籍『Bloods: An Oral History of the Vietnam War by Black Veterans』が重要なインスピレーションを与えました。

撮影と音楽

撮影は2019年の3月にベトナムで始まりました。特に回想シーンでは、1960年代から1970年代の雰囲気を出すため16mmフィルムが使われています。音楽はテレンス・ブランチャードが担当し、2020年5月にサウンドトラックがリリースされました。

公開と反響

本作は、日本では劇場公開やDVD化はされず、Netflixでのみ配信されています。映画は、批評家から絶賛され、Rotten Tomatoesでは92%の支持率を得ており、そのエネルギーと野心的な作りに対する高い評価があります。全体を通して、観客に深い感動を与える作品として、スパイク・リー監督の偉大な業績の一つとなっています。

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