ザ・ユニオン

ザ・ユニオン (The Union)

『ザ・ユニオン』は、2010年にリリースされたエルトン・ジョンのアルバムであり、音楽界で重要な位置を占めています。このアルバムは、エルトンが尊敬するシンガー・ソングライターのレオン・ラッセルをフィーチャーしており、彼とのコラボレーションが大きな注目を集めました。特に、レオンはエルトンにとって非常に影響力のあるミュージシャンであり、エルトン自身も彼の音楽を通じて多くのインスピレーションを受けてきました。

アルバム制作のきっかけは、エルトンの友人であるエルヴィス・コステロが自らホストを務める音楽番組『Spectacle』での一言でした。この番組に出演したエルトンが「忘れられた才能」としてレオンの名前を挙げたことで、再び二人のコラボレーションの話が持ち上がりました。この出会いが生んだ『ザ・ユニオン』は、ただのアルバム以上の意味を持ちます。

曲作りは非常に順調に進んでいたものの、録音が始まる直前にレオンが脳手術を受けることになり、心配の声が上がりました。それでも、レオンは見事に回復し、アルバムの制作を続けました。このような試練を乗り越えたことも、アルバムにさらなる深みを与えています。プロデューサーには60年代から名を馳せるT・ボーン・バーネットが起用され、彼の経験が色濃く反映されています。

収録楽曲は、エルトンとレオンの共作に、T・ボーン・バーネットや他の作詞家が加わるという形で、多様な音楽スタイルを体現しています。例えば、オープニングトラック「If It Wasn't For Bad」や「Eight Hundred Dollar Shoes」など、各楽曲はエルトンらしい親しみやすいメロディとレオンの深い感情が見事に融合しています。また、アルバムのクレジットには、様々なアーティストの名前が並び、セッションの多様性が強調されています。

アルバムに参加したミュージシャンもまた多彩で、エルトン・ジョンが主要なボーカルとピアノを担当する一方、レオン・ラッセルもその存在感を示しています。さらに、エレクトリックギターやドラム、ホーンセクションなど、さまざまな楽器の演奏がバンドスタイルでラフに行われることで、一体感あるサウンドが実現しました。

『ザ・ユニオン』がリリースされた後、エルトンとレオンはツアーを行い、高い評価を得ました。特に地元でのライブパフォーマンスや、作品のネット販売が盛況となり、セールスも好調でした。音楽シーンから少し離れていたレオンが、このアルバムをきっかけに再び表舞台に立つことができたのは、彼のキャリアにとっても重要な出来事です。

また、エルトンはその後、レオンのソロアルバム『ライフ・ジャーニー』のエグゼクティブ・プロデューサーを務め、このコラボレーションが続くことになりました。『ザ・ユニオン』は単なる音楽作品にとどまらず、二人のアーティストの絆を示す重要なアルバムとなりました。

収録曲

1. If It Wasn't For Bad
2. Eight Hundred Dollar Shoes
3. Hey Ahab
4. Gone To Shiloh
5. Hearts Have Turned To Stone
6. Jimmie Roger's Dream
7. There's No Tomorrow
8. Monkey Suit
9. The Best Part Of The Day
10. A Dream Come True
11. I Should Have Sent Roses
12. When Love Is Dying
13. My Kind Of Hell
14. Mandalay Again
15. Never To Old (To Hold Somebody)
16. In The Hands Of Angels

アルバムは、エルトン・ジョンとレオン・ラッセルの対話が色濃く表現された作品であり、その内容は音楽ファンにとって永遠に記憶に残るものとなるでしょう。

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