ザ・ランドマーク

ザ・ランドマークは、香港・中環の畢打街に位置する商業施設で、その中心的なロケーションは、香港の経済活動を象徴する場所となっています。日系カナダ人建築家、木下一によって設計され、皇后大道中や德輔道中にも面しており、中環の心臓部としての役割を担っています。

歴史と変遷

ザ・ランドマークの場所には、かつてグロスタービル、レーンクローフォードビル、ウインザーハウス、マリーナハウス、エディンバラビルといった複数の建物が存在していました。これらの建物は、それぞれに歴史を刻んでおり、特にグロスタービルには、1867年建造の香港ホテルを前身とする高級レストラン「グロスター」がありました。

1974年、香港ランドは中環の大規模な再開発計画を発表し、三段階に分けてこれらの建物の再編を進めました。

第一期: 築20年が経過していたアレクサンドラハウスの再建。
第二期: グロスタービル、レーンクローフォードビル、ウインザーハウスの解体と再建。
第三期: マリーナハウスとエディンバラビルの解体と再建。

ザ・ランドマークは、この第二期と第三期の再開発によって誕生しました。

具体的には、以下の通りです。

グロスタービルはグロスタータワーとして1976年に着工、1980年に竣工。
レーンクローフォードビルとウインザーハウスは、ランドマークアトリウムとして1976年に着工、1980年に竣工。これは香港初のアトリウム型建築でした。
マリーナハウスとエディンバラビルは、エディンバラタワーとランドマークアトリウム東翼として1979年に着工、1983年に竣工。

1980年12月15日には、総務長官の姬達らにより開業式典が執り行われ、アトリウムの特徴的な列柱、茶座、テラス、屋根、円形噴水がランドマークとなり、多くの観光客を魅了しました。

現在のザ・ランドマーク

現在、ザ・ランドマークは3つのオフィスビル、ショッピングモール、ホテルから構成されています。これらの建物は、1980年代に香港ランドによって建設されました。オフィスビルは、北側のグロスタータワーと南側のエディンバラタワーが同じ外観を持ち、南東側にはヨークハウスがあります。ヨークハウスは、元々5階建てだったランドマークアトリウム東翼を再建したものです。

ランドマークアトリウム

ランドマークアトリウムは、5階建ての商業施設で、多くの高級ブランドショップが集まっています。ロエベ、マーク・ジェイコブス、サン・ローラン・パリは、ここで香港初の店舗をオープンしました。現在では、ルイ・ヴィトン、ディオール、グッチ、フェンディ、ティファニー、ハーヴェイ・ニコルズ、デビアスなどの店舗が軒を連ねています。モールのロビーでは、ファッションショーなどのイベントも開催されています。また、「Café Landmark」は、アフタヌーンティーを楽しむ場所として人気があります。

ランドマークアトリウムは、アレクサンドラハウス、プリンセスビル、皇后大道中9号と歩道橋で接続されており、地下ではセントラルビルや港鉄中環駅とも繋がっています。

1994年以降、香港ランドはザ・ランドマークのリニューアルを積極的に行ってきました。1995年の大規模な改修では、外壁、天井、床、手すりが全て取り替えられ、レストラン階の歩道橋が撤去され、エスカレーターが設置されました。2003年には、ショッピングモールの改修、増築が大規模に行われ、2005年には5つ星ホテルの「ザ・ランドマーク・マンダリンオリエンタルホテル」がオープン。2007年にはヨークハウスが完成しました。2005年には、ルイ・ヴィトンの店舗がリニューアルオープンし、世界最大級の店舗の一つとなりました。

2012年には、ランドマークアトリウムの地下1階が「メンズフロア」となり、同年、中環にあった4つの小売施設が「ランドマーク」として統一されました。2015年からは、各施設の商業施設部分が、「ランドマーク・アトリウム」「ランドマーク・プリンセス」「ランドマーク・アレクサンドラ」「ランドマーク・チャター」と改名されています。

アクセス

ザ・ランドマークへのアクセスは非常に便利で、港鉄の中環駅や香港駅が利用可能です。また、バスやトラムの路線も多く、公共交通機関でのアクセスは非常に便利です。

事件・事故

2009年8月には、ザ・ランドマーク内で警備員が男性を確保し、警察に引き渡そうとした際に、男性がアトリウムから飛び降り、死亡するという事故が発生しました。この事件は、当時大きなニュースとなりました。

ザ・ランドマークは、その歴史、建築、そして商業的な重要性から、香港を代表するランドマークの一つであり、常に変化を遂げながら、香港の経済と文化の中心としての役割を果たしています。

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