概要
『ザ・
ルームメイト』(原題: The Roommate)は、2011年に
アメリカ合衆国で制作された
ホラー映画、あるいはサイコスリラーである。閉鎖的な空間における人間関係の歪みと、そこから生まれる恐怖を描いている。日本では劇場公開はされず、2011年8月24日に
DVDとして発売された、いわゆる
DVDスルー作品となった。
ストーリー
物語の舞台はロサンゼルスの大学。新生活に胸を膨らませる新入生の
サラ・マシューズ(演:
ミンカ・ケリー)は、学生寮での共同生活を始める。彼女の
ルームメイトとなったのは、同じく新入生の
レベッカ・エヴァンス(演:
レイトン・ミースター)だった。
当初、二人はすぐに打ち解け、固い友情で結ばれていくかのように見えた。新しい環境で頼りになるレベッカに、サラは安心感を抱く。しかし、学生生活が進むにつれて、サラがレベッカ以外の友人と交流したり、キャンパス内で出会った
スティーブン(演: カム・ジガンデイ)と恋に落ちるなど、新たな人間関係を築き始めると、レベッカの態度に微妙な変化が現れ始める。
レベッカの言動は、次第に不可解で偏執的な兆候を見せ始める。彼女はサラの交友関係に対して過剰な干渉をしたり、サラの行動を監視するような振る舞いを見せるようになるのだ。当初は単なる寂しさや不器用な友情表現かと考えていたサラだったが、レベッカの行動はエスカレートする一方だった。
レベッカの異常な執着は、サラの平穏な大学生活を少しずつ蝕んでいく。そして、やがて彼女の隠された異常な人格が露わとなり、想像を絶する狂気へとサラを追い詰めていくことになる。友情が歪みきった時、そこには恐るべき恐怖の形が姿を現すのだった。
主要キャスト
サラ・マシューズ:
ミンカ・ケリー
レベッカ・エヴァンス:
レイトン・ミースター
スティーブン: カム・ジガンデイ
アリソン・エヴァンス(レベッカの母親):
フランシス・フィッシャー
ジェフ・エヴァンス(レベッカの父親): トーマス・アラナ
ロバーツ教授:
ビリー・ゼイン
その他、アリソン・ミシェルカ、ダニール・ハリス、マット・ランター、
ニーナ・ドブレフらが出演している。
テーマと見どころ
本作は、見知らぬ者同士が共同生活を送る中で生まれる、閉鎖的な状況下の心理的緊張と恐怖をテーマとしている。特に、一方がもう一方に対して異常なほど依存し、支配しようとするサイコパス的な性質を持つ人物の存在が、物語の中核を成す。友情や依存といった普遍的な感情が、どのようにして歪み、恐ろしい結果を招くのかを描写することで、観る者に不快感と緊迫感を与える。
共同生活という日常に潜む可能性のある危険性、そして人間の内面に隠された狂気を炙り出すサイコスリラーとして、閉鎖空間ホラーのファンにとって見どころのある作品と言えるだろう。