ザ・レジスタンス

『ザ・レジスタンス』（The Resistance）は、イギリスのロックバンド、ミューズ（Muse）が2009年9月16日に発表した5枚目のアルバムです。この作品は、バンドにとって初めてとなる完全セルフプロデュースで制作されました。同年10月21日には、メイキング映像を収録したDVD付きのスペシャルエディションが初回生産限定でリリースされ、ファンにとっては見逃せないアイテムとなっています。

アルバムの特徴として、オーケストラサウンドが取り入れられている点が挙げられます。これにより、クラシック音楽や、ミューズのメンバーが影響を受けたと公言しているクイーンからの影響が強く感じられる、壮大でドラマティックな楽曲が展開されています。従来のロックサウンドに留まらず、新たな音楽的な挑戦を試みている点が、本作の大きな魅力と言えるでしょう。

さらに、『ザ・レジスタンス』は、2011年2月13日に開催された第53回グラミー賞において、最優秀ロックアルバム賞を受賞しました。ミューズにとって、グラミー賞のノミネート、そして受賞は本作が初めてであり、バンドのキャリアにおいて重要なマイルストーンとなりました。

アルバムには、以下の11曲が収録されています。

1. アップライジング（叛乱） - Uprising - 5:05
2. レジスタンス（愛の抗戦） - Resistance - 5:47
3. アンディスクローズド・デザイアーズ（禁じられた欲望） - Undisclosed Desires - 3:56
4. ユナイテッド・ステイツ・オブ・ユーラシア（ユーラシア合衆国） - United States of Eurasia (+Collateral Damage) - 5:48
5. ガイディング・ライト（導く光） - Guiding Light - 4:13
6. アンナチュラル・セレクション（人為的淘汰） - Unnatural Selection - 6:55
7. MK ウルトラ - MK Ultra - 4:06
8. アイ・ビロング・トゥ・ユー（あなたの声に私の心は開く） - I Belong to You (+Mon cœur s'ouvre à ta voix) - 5:39
9. エクソジェネシス（脱出創世記）:交響曲第1部（序曲） - Exogenesis: Symphony Part 1 (Overture) - 4:18
10. エクソジェネシス（脱出創世記）:交響曲第2部（他家受精） - Exogenesis: Symphony Part 2 (Cross-Pollination) - 3:56
11. エクソジェネシス（脱出創世記）:交響曲第3部（あがない） - Exogenesis: Symphony Part 3 (Redemption) - 4:37

収録曲の中でも特に注目すべきは、アルバムの最後を飾る3部構成の組曲「エクソジェネシス」です。この楽曲は、オーケストラを大胆に導入した壮大なスケールで、ミューズの新たな音楽性を提示しています。また、各楽曲には独自のテーマがあり、全体を通してストーリーが感じられる構成も魅力です。

アルバムからは、「アップライジング」「アンディスクローズド・デザイアーズ」「レジスタンス」の3曲がシングルカットされました。中でも「アップライジング」は、音楽ゲームの収録曲としても採用されるなど、幅広い層に支持されています。また、「アップライジング」のミュージックビデオには、鉄拳のパラパラ漫画「振り子」が使用され、話題となりました。

『ザ・レジスタンス』は、ミューズの音楽的な幅広さと実験精神が際立つ作品であり、その後の彼らの音楽活動にも大きな影響を与えた重要なアルバムと言えるでしょう。

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